HOME > LIFESTYLE > 亀治郎丈が猿之助襲名直前の舞い 日本伝統に酔うオールドパーの宵 第八回 伝承の饗宴

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亀治郎丈が猿之助襲名直前の舞い
日本伝統に酔うオールドパーの宵
第八回 伝承の饗宴

ユネスコの世界遺産サポートプログラムとして、スコッチ・ウィスキー「オールドパー」によって開催される恒例の伝統文化の振興イベント「伝承の饗宴」。ご存知オールドパーは、明治開明期に欧米12カ国を巡った岩倉遣欧使節団によって日本にもたらされ、時代の名士に愛されてきたとされる。その銘酒が日本の「美」と「叡智」を讃えるため、2005年から開催すること今回で8回目、ファウストの皆さまにとってもお馴染みの、格式ある評判の宴となっている。

宴の当日、招待を受けたファウストやゲストたちは、数日前に開業したばかりの渋谷ヒカリエに集まっていた。今回は、ヒカリエのオープン記念イベント「二代目 市川亀治郎大博覧会」(以下、博覧会)の一環として、その博覧会のフィナーレ前日に開催され、しかも、現・二代目市川亀治郎丈が舞台に登場し、舞いを披露するという、まさに特別な趣向が用意されていた。
「今日は、亀治郎が猿之助を襲名する前の、最後の舞いになるそうだよ」
ゲストたちがそう囁き合い、期待を寄せる通り、6月に四代目市川猿之助の襲名が決まっている亀治郎丈としては、今日の舞いは亀治郎として最後のものとなる。
会場であるヒカリエホールに集まったゲストたちは、ウェルカムのオールドパーカクテルを傾けながら、まずは博覧会に展示された写真家・齋藤芳弘が撮影した亀治郎丈の芸術写真をはじめ、浮世絵コレクション、衣装といった展示を、ゆっくりと鑑賞していった。

ヒカリエホールの大博覧会の様子。

しばらくしてのち、ホール中央に原寸で再現された「義経千本桜・川連法眼館の場」(通称、四ノ切)の歌舞伎舞台に厳かな空気が漂い始め、亀治郎丈の舞台が始まった。
まずは、小鼓・田中傳次郎氏と笛・田中佳一氏によるお祝いの曲「五穀豊穣 天上天下 三番叟組曲」から。美しい小鼓と笛の二重奏が響いた後、亀治郎丈が登場。長唄「松の緑」により、素顔のまま袴姿で踊る「素踊り」にて舞いを披露した。穏やかにも流麗な舞いは、ゲストたちの心を静かにつかんでいく。
舞いを終えた瞬間、魅せられたゲストたちは、感嘆とともに拍手喝さいをおくっていた。
「これほどの特設舞台で、亀治郎の舞いを間近で見られるとは。世界に引き込まれるとはこのことか」

会場に再現された義経千本桜・川連法眼館の場の歌舞伎舞台は圧巻の一言。トップ写真はその舞台で舞う亀治郎丈。

大博覧会の写真作品。「双面道成寺」(白拍子花子実は清姫の霊 狂言師升六実 は忠文の霊)。(撮影/齊藤芳弘)
左と同じく。「鬼揃紅葉狩」(更科の前実は戸隠山の鬼女)。(撮影/齊藤芳弘)

その後は、隣のホールへ移り、オールドパーとの相性を考えられた「金田中」謹製の料理による晩餐へ。まずは、MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社代表取締役社長のジェイムズ・ペイトン氏の乾杯。歓談へ移り、和やかな雰囲気に移った後、亀治郎丈のあいさつ。ゲストの笑いを誘う話に、会場の空気は打ち解け、宴は静かに盛り上がって行った。
「特別な歌舞伎に触れながら、金田中の献立と味わうオールドパーの芳香は、また格別な味わいがある…」
ファウスト、ゲストたちは心満たされた様子だった。

「本物は時代を超えていく」――オールド・パーの理念と、歌舞伎という日本の伝統文化の共振が醸し出した、希有な一夜であった。

ディナーで供された金田中謹製の冷盆。「鯖龍皮鮨」「鱧切落し」「へぎ板 胡瓜 海月 椎茸 胡麻酢掛け」など見事な美味がひしめく一品。

Data

第8回 伝承の饗宴 
日時:5月8日(火)17:30~21:00
場所:「四代目 市川猿之助襲名記念 二代目 市川亀治郎大博覧会」渋谷ヒカリエ9階ヒカリエホール
主催:二代目 市川亀治郎大博覧会
共催:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社(http://www.mhdkk.com/
後援:公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟

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