子どもの希望の種を花咲かせるために
国際NGOの理念に共鳴した晩餐会
セーブ・ザ・チルドレン チャリティディナー
9月の終わり、例年にない暑い夏の記録を更新する中、東京・六本木のグランドハイアット東京にブラックタイ姿の男たちが集まった。傍らにはエレガントな装いの淑女たち……。
そんなシーンに遭遇するのは高級ホテルともなれば珍しくはないが、これがチャリティの意味を持つとなると、おのずとニュアンスは異なってくる。それも国際的なNGO主催となれば、会場はより厳かな雰囲気に包まれるといっていいだろう。
この夜、すでに過去に何度もファウストA.G.のイベントのチャリティ先として支援してきたセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下SCJ)主催によるチャリティディナーが行われた。毎年、各業界で活躍するリーダーや企業オーナーが数多く参加する由緒あるチャリティイベントである。
セーブ・ザ・チルドレンは国連に承認された世界的なネットワークを持つ国際援助団体(NGO)で、その活動は幅広い。今回のディナーチャリティもそうだが、SCJは様々な支援事業と、それを実現するためのチャリティイベントを行っている。個人的には数年前、この団体の存在をあるアーティストのチャリティコンサートを通して知った。
さて、定刻が近づくとグランドハイアット東京3F、グランドボールルームには大勢の人が集まってきた。見慣れた顔のファウスト会員もいれば、メディアを通して親しみを覚える者も。皆、ブラックタイに包まれたジェントルな趣の中に、リラックスした雰囲気を漂わせている。誰もが、この時間を心から楽しもうとしているようだ。
というのも、この夜のプログラムにはディナーやオークションなどの他に、世界的なピアニスト中村紘子女史によるコンサートが含まれていた。しかも、当日の案内には“オール・ショパン・プログラム”と書かれていた。楽曲は“華麗なるワルツ”にはじまり、“雨だれ”と続き“英雄”で終わる。当然“別れの曲”も組み込まれている……。
このディナーは、MHD モエ ヘネシー ディアジオとブルガリ ジャパンのサポートで行われ、ドアオープン前から参加者の手には「ドン ぺリニヨン ヴィンテージ2000」が注がれたグラスが行き渡っていた。
またホワイエでは、収益の一部がセーブ・ザ・チルドレンに寄付される「ブルガリ セーブ・ザ・チルドレン」リングが世界に先駆けて販売されていた。ブルガリは、昨年よりグローバルにセーブ・ザ・チルドレンをサポートしており、これは新たな支援プロジェクトの一環なのだ。
そして、オープン。ほぼ全員が着席した後、秋篠宮妃殿下が来臨、SCJ上野理事長の挨拶で会はスタートした。
「子どもはみんな、夢や希望を咲かせる種をもっています。皆様の気持が太陽となり、水となることで、その子どもたちの種を芽吹かせ、花を咲かせることができたらと思っています」
厳かに、格式を持って、世界の子どもたちのために
迫力ある素晴らしい音楽とコンサートを文字で伝えるというのは難しい。楽曲や演奏技術とは異なるあの空気感はたやすく表現できるものではない。中村女史のコンサートがはじまると、凛とした空間に鳴り響くピアノの旋律に鳥肌が立ったのは私だけではないだろう。中村女史がピアノに向かっている間、息を吸うことも忘れていた気がする。
スタンディングオベーションと、なり止まぬ拍手の中、演奏を終えた中村女史はステージを降りた。そして、ライティングが変わると会場の空気は一転。会話のはずむディナーパーティとなる。料理はグランド ハイアット東京総料理長トーマス・ベイナー氏の創意工夫が凝らされたアジアの風を感じるフレンチ。スターターはタラバ蟹のココナッツスープ、メインはポークフィレとマンチェゴチーズのプレゼのクミン風味チェリートマトのコンフィ添えという内容。このイベントに合わせてドン ぺリニヨンからリリースされた21世紀初のヴィンテージ「ドン ペリニヨン2002」のために考えられたコースとなっている。
これは、ドン ペリニヨンの20世紀最後のヴィンテージの後に、21世紀初のヴィンテージを楽しむという、SCJを20年以上にわたって支援してきたドン ぺリニヨンであればこその計らいなのだ。
会の終盤はサザビーズによるチャリティオークション。「ドン ぺリニヨン レゼルヴ ドゥ ラベイ ヴィンテージ1973 マグナム」「ブルガリ ディアゴノ アルミニウム時計」など希少なアイテム計11点が拍手とともに次々と落札された。オークショニアはサザビーズジャパン石坂社長である。美しい手さばきで、上がった番号札に会場の注目を集めさせる。まさにプロの技を見せてもらった。
こうしたチャリティイベントは現在ざまざまな団体がさまざまなカタチで行っている。だが、セーブ・ザ・チルドレンによるチャリティディナーにはまた違った趣がある。厳粛ではありながらどこか心温まるものを感じるのだ。きっとそれは彼らの活動の長年に渡る歴史が培った信頼が、根底にあるせいかもしれない。そして子供たちを守る、助けるというスピリッツが会場に集まった全員に共有されたからではないだろうか……。
オークションの収益は3,617,000円。このオークション収益の全額と、チャリティディナーの収益の一部は、セーブ・ザ・チルドレンの活動を通して、世界の子どもたちの生活改善のために役立てられる。
第23回セーブ・ザ・チルドレン チャリティディナー
日時:2010年9月27日
場所:グランドハイアット東京 グランドボールルーム
形式:着席コースディナー
ドレスコード:フォーマル
参加アーティスト:中村紘子
主催:社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
協賛:MHDモエヘネシーディアジオ/ブルガリジャパン株式会社
後援:社団法人 日本青年会議所
主賓:秋篠宮紀子妃殿下
参加者:320名
セーブ・ザ・チルドレン公式サイト
http://www.savechildren.or.jp/
Text:Tatsuya Kushima
Photos:Save the Children Japan
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