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オーバー270km/hの異次元体験
Faust Racing Team 2012新春走行会

2012シーズンを迎えるスーパー耐久。Faust RTは昨年同様BMW Z4M CoupeでST-1クラスに参戦する。今年もシーズンインを前に、Faust会員を対象とした走行会をFISCO/富士スピードウェイで開催することとなった。

FISCO+Ferrari Four



サーキットの朝は早い。FISCOに集まったゲスト/Faust RT会員はおよそ20名。1月第2週、まだ明けきらない暗がりの中、ゲートオープンを待つのは走行会に自車を持ち込むゲスト達の車。フェラーリ、BMW、ポルシェ、GT-Rなどマシンは多彩だ。

マイカーをサーキットでドライブする楽しみも格別なものだが、今回のメインとなるイベントは同乗走行。通称「サーキットタクシー」とも呼ばれているもので、プロドライバーが運転する助手席でサーキット体験をする企画だ。

Faust RTでは、そのために特別なマシン2台とプロドライバーを用意した。一般的なサーキットでの同乗走行よりは一段も二段も高いスピードで、ハイパフォーマンス車両の極限性能を体感してもらうためだ。もちろんマシンは完璧にメンテナンスされている。

同乗走行用車両の1台は2008~2010シーズン、Faust RTが実際にスーパー耐久で走ったポルシェ996。レースで戦ったそのままの仕様に同乗用シートが追加されたもの。もう1台は、フェラーリ初の4WDとして話題のフェラーリ「FF(フェラーリ・フォー)」(以下フェラーリ FF)だ。

フェラーリ・フォーは今回の企画に賛同したロッソ・スクーデリア㈱の車両。国内に4社あるフェラーリの正規代理店の1社で、南青山にショールーム、碑文谷にサービス工場を構えるフェラーリ専門店だ。

フェラーリ FFをドライブするのは2011全日本F3チャンピオンの千代勝正選手と、Faust RTでドライバーズコーチを務めるプロジェクト・ミューの山野直也選手。ポルシェの方は2人に加えて、Faust RTのドライバー達も運転役をかって出ている。

当日は、Faust RT が2012年シーズンを戦うBMW Z4M Coupeのテスト走行も予定されていたのだが、そちらは新規格のタイヤが間に合わなかったため、ドライバー達は慣熟走行でシーズン前の肩慣らしを行うこととなった。

2011シーズンは最終戦で大逆転、全日本F3チャンピオンに輝いた千代勝正選手。現時点で公式リリースはないが、2012年はスーパーGTに参戦予定。1月24日のマレーシア・セパンサーキットのテストでは星野一樹/関口雄飛とともにGT-R GT3マシンをドライブしているので、まず間違いないだろう。レース界、期待の若手だ。
フェラーリ初の四輪駆動モデル「フェラーリ・フォー」は、従来の四駆システムに比べ重量を半分に削減した「4RM」を採用、雨でも雪でも、様々な路面で高い走破性を発揮するスーパースポーツワゴン。リアシートを倒すことでラゲッジスペースはゴルフバッグが縦に詰める。エンジンはV12で660PS。乗車定員は4名。車両本体価格3200万円(消費税込)。詳細スペックはコチラ

一般道では味わえないスピード



走行会は8時30分から。自車走行をする人は、その前に講習が必要なため、いったん諸注意を受けるためにブリーフィングルームへ。同乗走行だけの参加者はピット内で車両を前に親睦を深める。さすがにレーシングカーのBMW Z4Mとポルシェ996のエンジンがかかると、すさまじい排気音で話もできなくなるのだが、それも一興。

イベントの主役の1台、フェラーリ FFでの同乗走行がまず始まる。フェラーリ史上最強のパワーを誇る660PSモンスターは、スペック上では最高速335km/hとなっている。FISCOの直線が長いとはいっても、そこまでのスピードを出せる長さはない。0-100km/h加速3.7秒という強力な加速性能で、どこまで最高速が伸びるかも見所だ。

ドライバーが乗り込み、数周のウォーミングアップランの後、いよいよ同乗走行の開始。ピットでゲストを乗せて走り出す。周回はアウトラップ/ストレート1本/インラップの3周。フェラーリ FFから最初に降りてきたゲストに話しを聞くと、「メーターは270km/h越えてましたよ」とのこと。ドライバーは千代選手、手抜きなしだ。

その千代選手にフェラーリ FFの感想を聞いてみたところ、
「パワフルでゼロ加速が凄いですね。ストレートはまだスピードに余裕があって、直線長ければまだまだ伸びて行く感じでした。ブレーキの効きもスピードに負けずに強力。コーナリングは四駆らしく抜群の安定感で、デバイスのアシストもあるので、今日のように路面コンディションが悪い中で、少し無理してもコントロールしてくれます。誰が運転しても楽しめると思いますよ」

ロッソ・スクーデリアのマーケティング・マネージャー、北村さんは、
「Faust RTの走行会イベントに参加するのは初めてです。フェラーリ FFは4人乗りのGTカーですが、今回はサーキットでの実力、特にコーナーでの安定感を体験していただきたかったので、選びました」とのこと。

同乗走行のもう1台のマシンはポルシェGT3-JGN 996。こちらは昨年の走行会でも用意したもの。市販車ベースとはいえ、サーキット専用に仕立てられたレースマシン。装飾など一切ない室内に、むき出しのパーツ類と計器が並ぶ。本番レース中は運転席しかないので、特設助手席に乗り降りするためにはゲージをまたがねばならず、市販車ではない苦労も強いられる。

同乗走行参加者にランダムに話を聞いてみた。
「さすがにこのスピードは初体験…フェラーリ FFの加速、安定感、凄いですね」
「フェラーリ FFはデバイスが効いてコーナー安定しているはずなのに、プロはわざと滑らせることもできるんですね」
「ストレートで最高速から一気に減速するのに少しびびりました」
「雪の降る中だったけど、ぜんぜん怖くありませんでした」
「ポルシェは音と振動からくる体感スピードが速く感じますね」
「運転技術にただただ驚きました。こんどは自分で運転してみたいです」

「怖い」と言う人は皆無。個性豊かなFaust会員達の共通項を上げるとすれば、チャレンジする気持ちが何事にも勝る…ということかもしれない。

2012年Faust RT体制

走行開始1時間後から振り出した小雪は走行に影響のないものだったが、2時間も経つ頃には本格的な雪になってしまった。あっという間にピットロードは銀世界に。全車ライトオンが指示され、しばらくは様子を見て走行していたものの、赤旗が出て中断。昨年は、余った時間を再度乗るというチャンスがあったが、今年はお預けをくってしまった。

走行会終了後はピット2階にあるクリスタルルームに移動し、ゲストとドライバーでのランチタイム。ロッソ・スクーデリアの北村さんの挨拶に続き、Faust RTキャプテンの堀から2012年のチーム体制発表があり、各ドライバー達も2012年への思いをひとことずつ付け加えた。

現在まで確定しているチーム体制は、昨年と同じ。メンテナンスは志村氏が体表を務めるBBRで、ドライバーコーチにはプロジェクトミューの山野氏、ドライバーは堀・佐藤・岡本の3名だ。初戦は3月24日~25日、FISCOとなる。

外の雪もほとんど雨に変わり、帰宅に不安のなくなった正午過ぎ、イベントは閉会。非日常的なスピードを堪能したゲスト達は、それぞれの車でFISCOを後にした。おそらく…普段よりゆっくりとしたスピードで。

Data

Faust Racing Team 2012新春走行会
日時:1月14日(土)
場所:富士スピードウェイ
Special thanks
ロッソ・スクーデリア/大沼プランニング

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