HOME > LIFESTYLE > Diners Club Presents Japan Classic Automobile 日本橋架橋99周年を祝う 優雅で華麗なクラシックカーの祭典[後編]

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Diners Club Presents Japan Classic Automobile
日本橋架橋99周年を祝う
優雅で華麗なクラシックカーの祭典[後編]

日本の自動車文化の歴史を繋ぐべく、ひとりのファウストが企画したクラシックカーの祭典「ジャパン・クラシック・オートモービル」。後編となる今回は、会場となった日本橋に集結した歴史的名車の数々を紹介する。
技術的ブレイクスルーに挑戦するエンジニア――神業に導かれしクラフトマンシップ――。時代に翻弄されながらも、荒海が叫ぶように人々の情熱から誕生したクラシックカーは経験と感性が織り成す歴史的文化遺産。生粋のグランプリカーから贅を尽くした最高級車まで、顔ぶれはじつに多彩だ。

Entry Car Album
ジャパン・クラシック・オートモービル
エントリーカー・アルバム

01

1922 Berliet 22CV
ベルリエ 22CV


創業者のマリウス・ベルリエは1894年にエンジン開発をスタート。後に、自動車メーカーとして、1902年フランスのリヨンで正式に起業する。乗用車からトラックまで生産し、1974年まで操業したことも特徴だ。また、1908年にはタルガ・フローリオにレース参戦。この22CVは第一次世界大戦後に生産した最上級モデルで4.4リッターエンジンを搭載する。

02

1924 Curtis
カーチス号


アメリカ車のミッチェルのシャシーに、カーチスA1(複葉機)の航空機用V8エンジンを搭載したスペシャル・レーシングカー。湯島の自動車整備工場アート商会で修業していた本田宗一郎氏(当時18歳)がこのマシンの製作に関わり、また、搭乗メカニックとしてもレースに参戦した。現在は茂木のホンダ・コレクションホールで保存されている。

03

1924 Bentley 3Litre
ベントレー 3リッター


1919年に創業したベントレーのファーストモデル。1921年から販売された。こちらの個体は白洲次郎氏がケンブリッジ大学留学中に愛用していたというヒストリーをもつ。1924年はベントレーにとって記念すべき年で、第2回ル・マン24時間耐久レースで初優勝。その後、1927年~1930年には4年連続で優勝。その通算スコアを5勝とし、名声を築いた。

04

1926 Rolls-Royce PhantomⅠ
ロールス・ロイス ファンタムⅠ


1925年~1931年まで生産されたファンタムⅠはトピックなモデルであった。当時、北米では完成車課税が高額だったために、ロールス・ロイスはイギリス・ダービー工場とは別に、マサチューセッツ州スプリングフィールドに北米工場を完成させた。この個体は戦後、米軍海軍士官が日本に持ち込み、後に銀座のドイツ料理店『ケテル』に譲渡された個体だ。

05

1926  Bugatti T35C
ブガッティ T35C


タルガ・フローリオ5連覇、モナコ・グランプリ3連覇、ル・マン2勝という金字塔を打ち立てたブガッティは、もっとも美しい偉大なグランプリカーと呼ばれている。この個体は戦前から日本のエンスージアストとしても著名な三井家11代当主・三井高公氏が所有していた。なお、T35Cは2リッター直列8気筒スーパーチャージャー付エンジンを搭載。

06

1926  Lancia Lambda
ランチア ラムダ


1922年のパリ・サロンでデビューしたラムダは、世界初のモノコックフレームを採用し、技術的に軽量化と高剛性を両立させたモデルで、近代自動車の車体構造の起源ともいうべき特徴をもつ。また、前輪にコイルスプリングを採用したスライディングピラー式と呼ばれる独立懸架サスペンションを採用し、乗り心地という点でも秀でた性能を併せ持つ。

07

1931 Ford Model A
フォード モデルA


1927年、T型フォードに代わる次世代量産モデルとして発表されたのがモデルA。その風貌は最終型のT型に似ているが、まったくの新設計を採用したモデルだ。世界各地でノックダウン生産され、1925年に操業を開始した日本フォードの横浜工場で生産された“1931年、ニッポン生まれのモデルA”というヒストリーをもつ希少性の高い個体だ。

08

1931 Riley 9 Monaco
ライレー9モナコ


1890年に自転車製造からスタート。そして、オートバイ、3輪自動車へと展開。1900年代から本格的自動車製造へとシフトしたライレーは、英国コヴェントリーを一大自動車産業の街へと変貌させた。名門ライレーのラインナップのなかでも最高傑作と評される“ナイン”。この個体は名優・森繁久彌氏が、半世紀以上に渡り大切に所有してきた1台。

09

1934  Rolls-Royce PhantomⅡ Sedanca de Ville(Barker)
ロールス・ロイス ファンタムⅡ バーカー製セダンカ・ド・ヴィル


創業者のひとり、フレデリック・ヘンリー・ロイスが手掛けた最終期のモデル。車体を架装したのは名門コーチビルダーのバーカー。この個体はロールス・ロイスと40年以上にもわたるパートナーシップを築いてきた香港のペニンシュラ・ホテルから東京のペニンシュラ・ホテルへと引き継いだ車両であり、実際に結婚式などの送迎で使用されている。

10

1935  Hispano-Suiza K6

イスパノ・スイザ K6


1904年スイス人エンジニアのマルク・ビルキヒトがスペインに設立した自動車メーカーで、社名の由来は創業国と自身の国籍から、イスパノ(スペイン)-スイザ(スイス)と名付けられた。また、フランスにもファクトリーを構え、ロールス・ロイスに並ぶ高級車メーカーへと発展した。この個体は佐賀・鍋島家13代当主の鍋島直泰氏が所有していたもの。

11

1935 Bentley 3 1/2Litre Sports Saloon(Barker)
ベントレー 3 1/2リッター バーカー製スポーツサルーン


1931年、ロールス・ロイス傘下に収まった後に誕生した最初のモデルであり、工場のあった地名から通称、“ダービー・ベントレー”と呼ばれている。エンジン、シャシーともにロールス・ロイス製ながら、専用のチューニングを施しバランスのいい走りを実現したことから、“サイレント・スポーツカー”と評されるようになり、名声を築いた。

12

1937 Rolls-Royce 25/30HP Sports Saloon(Hooper)
ロールス・ロイス 25/30HP フーパー製スポーツサルーン


フルサイズのファントムとの対比から“ベイビー・ロールス”と呼ばれる第3世代のモデル。前モデルの3.7リッターから排気量を拡大し4.25リッターへと変更。この個体は吉田元首相の女婿である麻生太賀吉氏が大戦前に英国で購入し日本に持ち帰った車両であり、吉田氏も永らく愛用していたことから、“吉田茂のロールス・ロイス”と呼ばれている。

13

1937  Bugatti T57 Ventoux
ブガッティ T57ヴァントー


開祖エットーレの長男、ジャン・ブガッティが開発した高級スポーツモデル。T49に搭載されていた3.3リッター直列8気筒エンジンをDOHC化し搭載。ボディ形状は4タイプありセールス的にも成功を収めた。この個体は学習院大学で英語を教えていた英国人ボブ・ハサウェイ氏が所有していた車両で、自ら日本グランプリに出場するほどエンスーであった。

14

1938 Datsun Phaeton
ダットサン フェートン


ダットサン・ブランド初のモデルが1932年に誕生したフェートンである。T型フォードで採用された量産効率の高い近代的なベルトコンベア方式を採用し生産された国産初のモデルでもある。この1938年型は戦前最後のダットサンで最終の17型。時代を反映してインテリア/エクステリアとも簡素化されているそうだが、現在見てもモダンな仕上がりだ。

15

1939  Bentley 4 1/4 Litre Sports Saloon(Park Ward)
ベントレー 4 1/4リッター パークウォード製スポーツサルーン


“ダービー・ベントレー”の第2世代のモデルが1936年~1939年まで生産された4 1/4リッターだ。当初、シャシーはキャリーオーバーで、エンジンは直列6気筒3 1/2リッターをベースにボアを拡大し排気量アップ。なお、1939年モデルはシャシーが変更された。また、4 1/4リッターは007シリーズ『ネバー・セイ ネバー・アゲイン』に登場している。

16

1950  Rolls-Royce Silver Wraith Limousine (Hooper)
ロールス・ロイス シルヴァーレイス フーパー製リムジン


戦後ロールス・ロイスの上級モデルは、その時代背景により40/50HPファンタム系からシルヴァーレイスへとシフト。生産拠点も戦火で焼失したダービーからクルーの新工場へと変わった。この個体のコーチビルダーはフーバーだが、戦前ロールス・ロイスの上質感を色濃く反映し、英国のコーチビルダーのなかでも出色の出来栄えを見せ個体数も少ない。

17

1953 Porsche 356 Cabriolet
ポルシェ 356 カブリオレ


戦後のポルシェが本格的なスポーツカー開発に着手したモデルが356であり、開祖フェルディナンドの息子、フェリーがその開発の中心を務めた。デビューイヤーの1948年~1965年まで、マイナーチェンジやエンジンラインナップを拡大しながら生産され、多くのスポーツカー愛好家に支持された。この個体は過去に名優・高倉健氏が所有していた1台。

18

1955 Mercedes-Benz 300S Coupe
メルセデス・ベンツ 300Sクーペ


戦前のモデルである500K/540K思想を受け継ぐ最上級グランドツアラーとして1951年のパリ・サロンに登場。ハンドメイドの超高級車として、ごく少量が生産された。デビュー直後は150psの最高出力を発生する3リッターの直列6気筒エンジンを搭載していたが、1955年式の最終期のモデルでは175psまでチューニングされた高性能エンジンが搭載された。

19

1957 Mercedes-Benz 300C
メルセデス・ベンツ 300C


1951年にデビューした300シリーズの第3世代に当たるのが300Cだ。戦後のメルセデスはこの300シリーズから本格的に始動し、当時の西ドイツ首相コンラッド・アデナウワーが愛用したことから、通称“アデナウワー”と呼ばれる。この個体は2008年、エトワール海渡よりヤナセ寄贈された車両で、宮内庁にも納入されたヒストリーをもっている。

20

1964 Rolls-Royce Silver CloudⅢ
ロールス・ロイス シルヴァークラウドⅢ


1955年デビューし、ロールス・ロイスの名声を築き上げた伝統的スタイルをもつシルヴァークラウド・シリーズの最終モデル。1959年のシリーズⅡから採用した6.2リッターV8エンジンをさらにブラッシュアップし搭載。1962年~1965年まで生産された。この個体は神戸のノルウェー領事館が日本で新車登録して以来、シングルナンバーを保持している。

21

1967 Rolls-Royce PhantomⅤ
Touring Limousine(James Young PV23)
ロールス・ロイス ファンタムⅤ 
ジェームズ・ヤング製ツーリング・リムジン(PV23)


コーチビルダーのジェイムズ・ヤングが手掛けたこのツーリング・リムジンは、戦後のロールス・ロイスのなかで、もっともエレガントなファンタムⅤといわれている。ちなみにPV23はそのデザインナンバー。この個体は当時の正規代理店コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドにより新車として日本に輸入され、現在もシングルナンバーが保持している。

22

1949 Plymouth Special Deluxe 4Door Sedan

プリマス スペシャル・デラックス 4ドアセダン


米国クライスラー社によって量産されたプリマス。1949年型は初の戦後型として発表されたモデル。搭載エンジンは3.6リッターの直列6気筒。この個体は、初代オーナーが新車で購入して以来、代々乗り継がれ、孫によってレストアされて現在も大切に所有されている。残念ながらシングルナンバーは失っているが“ワン・ファミリー・カー”である。

Data

Diners Club Presents
ジャパン・クラシック・オートモービル

http://h-i-d.co.jp/jca/

総合プロデュース:木村英知(株式会社エイチアイディー・インターアクティカ/ファウスト会員)

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