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Small Talk

2009 December

2009年12月17日

Ecology

常識にとらわれない発想力で「グリーンIT」を推進せよ!?

「グリーンIT」という言葉がある。これは、“環境に優しいIT活用”を目指す、社会的な取り組みのこと。現在、ビジネスのIT化は凄まじく、経済産業省の報告によると2025年には今の100~200倍ものデータがインターネット上を行き交うという予測がなされている。国内のIT機器の電力消費量に至っては、2006年の5.2倍にまで膨れ上がるそうだ。このままでは、温暖化を促すCO2排出量が増加するばかりで地球の悲鳴はさらに大きくなってしまう。それを阻止するためにもグリーンITは、IT業界はもちろんのこと、多くの企業が真剣にかつ迅速に取り組くむべきテーマなのだ。

すでにグリーンITを進めている企業のなかで、今注目されているのが米国Yahoo!社。消費電力の大きい「データセンター」のグリーンIT化に着手しており、先日は“最もグリーンで最も効率のよいデータセンター”を2011年から稼働させるとの発表を行った。なんとナイアガラの滝を利用した水力発電により、サーバ電力の90%を賄おうという計画だ。また、環境問題対策に積極的なフィンランドでは、ヘルシンキの電力会社が人気観光スポットであるウスペンスキー寺院地下の巨大洞穴内に、数百台のサーバを設置する計画を進めている。サーバの廃熱を利用することで、ヘルシンキ市内の暖房の大部分を賄うことができるとか。双方ともあまりに壮大な発想に基づく計画だが、実現した場合は環境問題への貢献は大きく期待ができる。

鳩山首相が国連における就任最初の演説で、“温室効果ガスを1990年比で2020年までに25%減”という目標を宣言したこともあり、ここ日本でも企業ごとにCO2の削減を具体的なレベルで求められる可能性が大いにある状況だ。ファウスト諸兄も世界をアッと驚かせる発想でグリーンIT化を進めてみてはいかがだろうか。

Text:Sachiko Kajino(OUTSIDERS Inc.)

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2009年12月10日

Event

ファウストたちも踊りまくった「RYU’S CUBAN NIGHT2009」

作家・村上龍氏プロデュースによる、一夜限りのスペシャルライブ「ETRO&GOETHE PRESENTS RYU'S CUBAN NIGHT 2009」が、11月25日に六本木・STB139で開催された。キューバ音楽をこよなく愛する村上氏が、才能溢れる現地ミュージシャンを毎年日本に招待しライブを行っており、いわば村上氏のライフワークのひとつともいえるイベントだ。

この日、STB139には約20名のファウスト会員とその友人たちの姿があった。ライブの企画を担い、Faust A.G.とはインタラクティブな関係である幻冬舎『GOETHE』からの、キューバ音楽の熱いリズムを感じる一夜への招待状が届いたからである。

今回のパフォーマーは、昨年のRYU’S CUBAN NIGHTに引き続き、キューバでは高い人気を誇るスーパーグループ「バンボレオ」。会場でディナーとお酒に舌鼓を打っていたゲストたちも、メインボーカル・タニアの透明でパワフルな声が響きだした途端、一斉にダンスフロアへ移動!情熱的なラテンのリズムに合わせて笑顔で踊りまくる村上氏やゲストたちの姿に、バンボレオのテンションもヒートアップしていたのが非常に印象的だった。

「とても楽しかった!またこんなイベントがあったら参加したい」とは、あるファウストの感想。かつてサルサやラテン・ダンスを習った経験のあるファウストからは、「踊れるようになったらいいよね、また習おうかな」という声も。こうなったら、ファウスト・ダンスチームの結成もアリかもしれない!?
 

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2009年12月10日

New Product

結成40周年記念! モンティ・パイソンのアニバーサリーBOXが登場!

英国が生んだスーパースター、モンティ・パイソンの結成40周年を記念したDVD『空飛ぶモンティ・パイソン 40thアニバーサリーBOX』が12月2日、完全限定生産で発売された。

モンティ・パイソンは、言わずと知れた伝説のコメディ集団で、1960年代後半から80年代にかけてテレビ、映画、音楽、ミュージカルと幅広く活躍。あの“Mr.ビーン”ことローワン・アトキンソンや日本のザ・ドリフターズなどのコメディアンをはじめ、アート、映画などにも大きな影響を与えてきた。このアニバーサリーBOXは、1969年から74年にBBCで放送された彼らのTVシリーズ「空飛ぶモンティ・パイソン」と、特典映像を収録している。

彼らのスケッチ(コント)の魅力は、人種、歴史、階級制度、同性愛など、センシティブなテーマをハチャメチャに笑い飛ばしているところ。今回のアニバーサリーBOXでは、“政治的にヤバイ”という理由でカットされた幻のシーンも収録されており、その内容は大いに気になる。しかし、言い換えれば放送倫理的にタブーな要素が満載の彼らのスケッチを思う存分笑い飛ばすには、当時の社会情勢や文化、歴史などを理解している必要があるのだ。なにせ主要メンバーは全員、英国の名門校オックスフォード大学もしくはケンブリッジ大学出身。社会のしがらみや価値観を皮肉るブラックな笑いは、非常にアカデミックで計算された“作品”といえるからだ。

ちなみに、このアニバーサリーBOXのスペシャル特典である「シリー・ウォーク」フィギュアも見逃せない。大股を開いてバカ歩き(シリー・ウォーク)をするジョン・クリーズの姿を再現した、世界“初”公認のレアアイテムとなっている。インテリアとしてディスプレイすれば、ホームパーティでの話の種には十分なはずだ。
 

Data

『空飛ぶモンティ・パイソン 40thアニバーサリーBOX [完全限定生産]』
 12/2(水)DVD RELEASE
 発売・販売:ソニー.ピクチャーズ エンタテインメント
 金額:DVD-BOX 31,290円
 (c) 2006 Python(Monty)Pictures Limited.All Rights Reserved.
 http://bd-dvd.sonypictures.jp/python/

Text:Sachiko Kajino(OUTSIDERS Inc.)

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2009年12月10日

Event

モダンデザイン史に名を残す、ヴェルナー・パントンの回顧展が開催中

見た目はサイケデリックでも、実際に座ったり横になったりしてみると心が落ち着くような不思議な感覚がある。《ファンタジー・ランドスケープ》 「ヴィジョナ2」,ケルン家具見本市での展示風景,1970 (C)Panton Design, Basel

モダンデザイン史に大きな影響を与えた巨匠、ヴェルナー・パントン。彼の日本初となる大規模な回顧展が東京オペラシティで開催されている。

パントンの代表作として有名なのが、60年代後半に発表された「パントンチェア」。世界で初めてプラスチックのみで一体成型するという手法を用い、美しい流線型のフォルムを実現した椅子だ。プラスチック素材を使用したことや、スタッキングができる点など、大量生産・大量消費時代を反映した合理的なデザインが絶賛され、20世紀のデザイン・アイコンのひとつとなった。

今回の回顧展は、パントンともゆかりの深い「ヴィトラ・デザイン・ミュージアム」が企画したもので、彼の死から2年が経過した2000年から世界中を巡回している。同館の貴重なコレクションから、パントンチェアをはじめ、家具、照明、テキスタイル、ドローイングなど約150点を展示。なかでも注目は、パントンの最高傑作との声もある「ファンタジー・ランドスケープ」の体験ゾーンだ。この作品は、1970年にドイツ・ケルン家具見本市の展覧会「ヴィジョナ2」で発表された伝説と謳われる作品で、その一部を再現したもの。当時のパントンが“未来のインテリア”を思い描いて制作した、非常に先鋭的でサイケデリックな空間であり、床、壁、天井を一体化させたラウンジや、強烈な色彩のグラデーション、そして有機的なフォルムに圧倒される。

パントンが “世界初の試み”や“先鋭的作品”を発表してきたのも、既成概念や価値観を変えようというスピリットがあったからではないだろうか。そのチャレンジングな気持ちがあったからこそ、彼の作品は40年の時を経てもなお色褪せることなく、新鮮な驚きを与えてくれるのだ。

Data

■ヴェルナー・パントン展 Verner Panton
日程:2009年12月27(日)まで開催中
開館時間:11:00~19:00(金・土は20:00 入館は閉館の30分前)
休館日:月曜
料金:一般1000円 大高800円 中小600円
会場:東京オペラシティアートギャラリー
http://www.operacity.jp/ag/exh111/

Text:Sachiko Kajino(OUTSIDERS Inc.)
 

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2009年12月 3日

Event

フォト・ドキュメンタリーの先駆者
セバスチャン・サルガドの「アフリカ」展!

エチオピア空軍のミグ戦闘機からの機関銃攻撃を避けるために、夜通し歩き、カレマ・キャンプに到着した何千人もの難民たち。ティグレ州西部、エチオピア、1985 年 Photographs by Sebastiao Salgado / Amazonas images.Organized by Lelia Wanick Salgado, the exhibition curator.

世界各地で起きている現実を美しく切り取る写真家、セバスチャン・サルガド。彼の写真展『アフリカ 生きとし生けるものの未来へ』が東京都写真美術館で開催中だ。

1944年、ブラジルに生まれたサルガドは、軍事政権下の祖国を逃れフランスへ移住した。パリの大学で農業経済博士課程を修了し、経済学者として国際コーヒー機関に就職。29歳のときに写真家に転身するという異例の経歴を持っている。その後、世界各国の労働者を写した「WORKERS」、紛争や飢餓で移民となった人々を記録した「EXODUS」など、その重厚なモノクロ写真で多くの人々に驚きを与えてきたサルガド。2004年からは、自らが“最後の大プロジェクト”と語っている、地球や人類の起源に迫った「GENESIS」の製作を続けている。

今回の写真展は、30年以上にわたり彼が撮影し続けた作品から、“アフリカ”にスポットを当てたものを展示。「見捨てられた大陸」として、時代に翻弄され今もなお貧困や紛争の絶えないアフリカの現実を、サルガドらしい冷静な視点で捉えている。なかでも衝撃的なのが、1991年に撮影された一連の作品。茶畑で生き生きと働く人々を捉えた写真から一転、悲惨な虐殺の光景―ルワンダ紛争―がフィルムに写し出される。彼らの穏やかな日常と、紛争による虐殺が同じ場所で撮影されたという悲しい事実――。

サルガドのドキュメンタリー写真は、ときに“美しすぎる”と表現される。それは、彼の作品が単に見る者の感情をいたずらに煽るのではなく、人間や地球に対する愛に溢れているからかもしれない。サルガドの抱く“生きとし生けるものへの尊厳”の気持ちを感じ取りながら、見捨てられた大陸に対して我々が今できることを考えてしまう。ファウストとして絶対に見逃してはならない、クオリティの高い展覧会だ。

Data

■アフリカ 生きとし生けるものの未来へ
日程:2009年12月13日(日)まで開催
開館時間:10:00~18:00(木・金は20:00 入館は閉館の30分前)
休館日:月曜
料金:一般800円 学生700円 中高・65歳以上600円
会場:東京都写真美術館2階展示室
お問い合わせ:東京都写真美術館 TEL 03-3280-0034
http://www.syabi.com

Text:Sachiko Kajino(OUTSIDERS Inc.)

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2009年12月 3日

Environment

グリーンランドに新しい島出現、加熱するエネルギー争奪戦

米国の冒険家デニス・シュミット氏は、今から約2年前、グリーンランド付近に新しい島を発見した。 このような発見は冒険家にとって素晴らしいもののはずだが、彼にとってこの発見は喜ばしいというより、複雑な感情を呼び起こすものだった。ここはかつて棚氷や氷河で覆われた、グリーンランドの半島だった場所。大量の氷が溶け、別の島が出現したというわけだ。彼は先ごろ再びこの島を訪れ、以下のように語っている。
「私は発見後すぐに2つのことを確信しました。気候変動の例として、これは非常に重要なデータになるだろうということ。そしてもうひとつは、それが今、実際に起こっているということ。冗談でも単なる統計でもない。目の前の事実だ、ということです」。
彼はこの島を“ウォーミング・アイランド”(温暖化島)と名付け、その後も引き続き調査を行っている。この模様はCNNで放映され、今年10月頃には日本のテレビ局でも一部が放映された。

現在、温暖化を始めたグリーンランドの環境問題は世界に直接の影響を与える。仮にグリーンランド全体の氷がすべて解けた場合、海抜は世界で7-10メートル程上昇すると言われている。 このような海氷の減少や海面の上昇が、北極圏の植物や動物にも影響を与えているのは周知の通りだ。

温暖化の象徴として多くの冒険家や科学者が警鐘を鳴らす中、この島の氷が解けたことで、新たなエネルギー争奪戦も起こっている。10月16日ロンドン発ロイター伝によると、マレーシアの国営石油会社ペトロナスは、英石油会社ケアン・エナジーがグリーンランドで所有する油田の 10%の権益を3億1,000万米ドルで購入する契約を交わした。グリーンランドは地盤が固く採掘に不向きだったが、地球温暖化によって掘りやすい地盤に変化してきており、新しい地下資源供給地として昨今注目されているという。ケアン側は、今回の投資によりさらにグリーンランドにおける油田調査を拡大すると発表した。2011年より採掘を開始する予定だという。また石油以外にも金鉱開発などが進み、グリーンランド地下に眠る豊富な鉱物資源も注目を集めている。

「温暖化した島の地下に眠る石油資源を採掘する」というこの循環。ファウスト諸兄の目には、どう映るだろうか?

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