Small Talk
2009 September
2009年9月17日
Ecology
森林破壊を食い止める
米大学による環境活動の嬉しい実験結果!
世界の森林伐採のスピードは驚異的だ。一度森林が破壊されてしまうともう戻せないとも言われている。そこで、本当に多雨林を再生することはできないのか、アメリカの大学の研究員たちによって壮大な実験がなされた。実験を行ったのは、ニューヨークの名門校であるコーネル大学のキャンパスで植物の研究をしているボイス・トンプソン・インスティチュートの研究者たちだ。場所は中米の国コスタリカで、半世紀の間にほとんどの多雨林が伐採されてしまったという土地。研究チームは90年代初頭に、この地域に自生していた木を主体に織り交ぜながら、土着の多様な種子などを植え、10年後に院生が調査してみたところ、100以上の種類が育っていることがわかり、さらに新種も破壊された森林地帯から見つかった。こうした植林によって多雨林を再生させることは、森林を救うだけでなく近隣の住民の生活レベルも向上させる。木の根や森林地帯の湿った土はスポンジのような働きをし、飲み水なども確保しやすくなるという。もちろん昔のような完全な森に戻るためには何百年もかかるかもしれないが、それでもこの植物たちの成長には驚かされ、こういった結果は破壊された環境の回復活動を後押ししてくれる朗報と言えるだろう。
Data
2009年9月17日
Travel
プライベートジェットで好きな場所へ
オーダーメイドの旅「ザ・アニバーサリー」
直行便が飛んでいない空港へもアクセス、わずらわしいセキュリティチェックもいらず、両窓から見える美しい景色を独占する…。本来“空の旅”が持つ感動をダイレクトに体感できるのがプライベートジェットの魅力だ。思い通りの旅を実現するために、一度はチャーターフライトをと思っていた諸氏に朗報だ。
阪急交通社からプライベートジェットで旅する「ザ・アニバーサリー」プランが誕生した。コンセプトは“人生にただ一度の記念日を迎える旅”。内容の一例は、今回のプランのコラボレートパートナーである「マンダリン オリエンタルホテル東京」に到着後、スパで2時間のボディトリートメント。ホテルのプライベートワインセラーでワインをチョイス、夕食はミシュランで星を獲得したレストランでディナー、そしてスイートルームに宿泊。翌日は国内のお好きな場所へプライベートジェットで移動、という流れ。稚内から石垣島までどこへでも連れて行ってくれる。国内旅行でもプライベートジェットで旅ができるなら、今までとは違った非日常を感じられるはず。ちなみにこのプランは今年生まれ変わった阪急交通社の最高級ブランド「新生ロイヤルコレクション」の誕生特別企画。ほかにも、ファーストクラスの旅、リバークルーズの旅、列車の旅など、34カ国・25コースのプランが盛りだくさん。Faust流のアクティブな冒険の旅にも、当然対応できるだろう。オーダーメイドの旅のコンシェルジュとして是非チェックされたし。
阪急交通社 新生ロイヤルコレクション
「ザ・アニバーサリー」プラン
利用航空会社:ジャパンプライベートジェット
旅行代金(一例)
2名参加の一名料金(ジェットで羽田〜能登往復)1,800,000円
Data
2009年9月10日
Event
日本の伝統を伝える京都人の挑戦!
あなたは受けてたつことができるか!?
古き伝統を今の世に伝える――。非常にシンプルな行為だが、並大抵の努力では成しえることができない。たとえば、歌舞伎役者・中村勘三郎や狂言師・野村萬斎。彼らは、厳しいしきたりの世界に生き、その道を熟知しているからこそ、21世紀という時代に合った斬新でエンターテインメント性に溢れた伝統芸能の伝え方を編み出すことに成功している。我々は、彼らの血の滲むような努力によって、日本古来の伝統の美しさを理解しているといえよう。伝統を伝える人々は、常に現代に“挑戦”し続けているのである。
そんな現代の伝統文化の伝え方にご興味あらば、2009年10月13日、14日に開催される「にっぽんと遊ぼう~水面(みなも)に映(は)ゆ極楽離宮~」に足を運んでみていただきたい。京都府や京都商工会議所が中心となり、古都・京都の世界遺産『平等院』で開かれる、伝統文化と歴史を現代に伝える大規模なイベントだ。今回で16回目となるこの催しは、これまでも京都の名だたる名所・仏閣・神社などで開催されてきた。今年は「宴」「楽」「遊」の三部構成となっており、まずシャンパンパーティ(「宴」)で平等院が表現する平安貴族の極楽浄土をゆっくり堪能。次に伝統芸能と現代文化の融合をテーマにしたエキゾチックでロマンティックなパフォーマンス(「楽」)を。最後は、料亭やお茶屋で京都の味覚と美酒を楽しむ(「遊」)という内容だ(「宴」と「楽」のみの参加でも可)。パフォーマーはまだ公表されていないが、これまでも能や和太鼓、ピアノやモダンダンスなど洋の東西と時代を越えた芸術が披露されており、大いに期待したいところ。
「にっぽんと遊ぼう」は、“もてなし”“しつらい”“ふるまい”といった日本古来の精神を現代に伝えたいという、今の京都人による“挑戦”である。参加するならば、その挑戦をしっかり受け止め、ともに伝統を伝えていくという心意気で臨むのが、礼儀かもしれない。
Data
■第16回 にっぽんと遊ぼう ~水面(みなも)に映(は)ゆ極楽離宮~
日程:2009年10月13日(火)・14日(水)
会場:平等院
参加費:宴・楽16,000円、宴・楽・遊55,000円
お問い合わせ:「にっぽんと遊ぼう」実行委員会 運営事務局(TAKAMI BRIDAL内) TEL 075-352-1780
2009年9月10日
Music
神童が残した即興演奏とは?
モーツアルトの未発表2作品を聴く!
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。35歳の若さでこの世から去った天才ピアニストの残した楽曲は700曲余り。「トルコ行進曲」「ジュピター」「魔笛」などの代表作のような優美な作品の数々は、時代を経てもなお、我々の心に強い感動を与えてくれる。去る8月、オーストリア・ザルツブルグにある「国際モーツァルテウム財団」による記者会見で、モーツァルトの未発表作品が2点あることが明らかにされた。財団によると2作品は、父レオポルトがモーツァルトの姉マリア・アンナの練習用に作成した楽譜集に、作者不詳の曲として収められていたもの。最近になって詳しく調べた結果、なんとこの2作品、モーツァルトが作曲活動を始めてから間もない1763〜64年頃、わずか8歳の時に演奏された作品であると推定された! ロココの“神童”モーツァルトが残した即興演奏の2曲は、4分ほどのコンチェルトと、1分ほどのプレリュード。鍵盤楽器の楽譜は、手を交差させたり、ダイナミックな跳躍があったりとレオポルドの作風とは異なり、さらにいくつかの作曲上の誤りがそのまま遺されていることから、レオポルドは息子の即興をほぼそのまま書きつけたのではと推論。作品は財団のホームページで試聴可能。それにしてもこの2作品、試聴後、思わずブラボーと歓声を上げたくなるほどの完成度に驚く。“神童”時代、オーストリアのマリア・テレジアの御前演奏に招かれた際に宮殿の床で滑って転んでしまい、その時手を取ったマリー・アントワネットに求愛したという有名な話が頭をよぎった。恐るべし天才児が生んだ美しき旋律、是非ご堪能あれ。
Data
国際モーツァルテウム財団(日本語)
http://www.mozarteum.at/
※試聴は英語版から
http://www.mozarteum.at/00_META/00_News_Detail.asp?SID=56626284114232&ID=15287
Text:Kana Yokota(YUBUNSHA)
2009年9月 3日
Anthropology
自分の人生に満足していますか?
世界一幸せな国ランキング発表!
近頃、イギリスのシンクタンク新経済財団が発表した「世界一幸せな国ランキング」。全世界143カ国の中から見事一位に輝いた国はコスタリカだった。ちなみにこのランキングは、パーマネントトラベラー(高い税率を避けて一国にとどまらない生活をする人)を自称する、ヨーロッパの富裕層が密かに注目している指標としても知られている。世界各地の人々が感じる“人生への満足度”に加えて、“環境に対する負荷の度合い”や、“国への期待度”などをそれぞれ数値に換算した幸度数を算出して順位を決定するという。指数の計算式は、(生活満足度×推定年齢)÷生態系維持予想指数だそうだ。
さて、こうなるとコスタリカがいかに“幸せな国”か知りたいところである。中米のニカラグアとパナマにはさまれたコスタリカは、熱帯雨林や美しい海岸で知られ、エコツーリズムも盛んな国。1987年にノーベル平和賞を受賞した大統領のアリアス・サンチェス氏が指揮をとる、世界で唯一の非武装永世中立国だ。国土の多くを国立公園などにして、自然環境保護に取り組んでいる点など、“美しい国”としてすでに各国から高い評価を受けている。小国でありながら、軍隊廃止と非武装中立、平和・人権教育、自然環境保全という3本柱の国是を持ち、独自の路線を堅持しているコスタリカは、医療設備や制度の面でも老後を過ごす上で最高な環境だという。国民の85%が自分の人生に満足しているとの回答にもうなずける。
残念ながら我が国は75位、英国が74位、米国が114位と低迷。大量消費社会で、環境への負荷が高いことを反映したためだというが、そればかりではないはずだ。改善すべき点はコスタリカの取り組みからも十分に学べる。自分の人生に満足しているという国民が1人でも増えるような日本にするために、我々も高い意識を持って国のあり方を考えたい。
Text:Kana Yokota(YUBUNSHA)