Small Talk
2009 April
2009年4月23日
Space
米研究者が小惑星の破片をヌビア砂漠で発見!
宇宙で発見された小惑星の小さな破片を、無限に広がる砂漠で研究者が初めて手にした瞬間。それは、未知なる宇宙の解明にまた一歩近づいた瞬間でもあった——。
昨年10月、発見直後に地球に衝突して話題となった小惑星「2008_TC3」。その破片を、米・SETI研究所のピーター・イェニスキンズ (Peter Jenniskens)氏が回収し、研究していたことが明らかになった。
「2008_TC3」は、2008年10月6日に発見され、同7日午前2時45分にアフリカのスーダン北部で大気圏に突入した隕石だ。無人に近いヌビア砂 漠に落下したため、落下を観測できた専門家が現れず、遠方からの間接的な観測しかデータは集まらないと思われていた。しかし、イェニスキンズ氏は隕石の回 収のため、自らスーダンを訪れた。落下地点付近の目撃証言から、氏は「2008_TC3」は落下中に粉々に飛び散ったと推測。約1kmの一直線上にハル トゥーム大学の学生と職員45人を並ばせ、砂漠をしらみつぶしに捜索したのだ。捜索を開始した12月6日のうちに、直径1.5cmの黒い小片を見つけたと いう。
発見された隕石は、黒い炭素と砂糖のようなガラス質の鉱物結晶で形成され 表面は高熱で溶けた証拠に、ガラス状の膜で覆われていた。分析の結果、「2008_TC3」は大きな小惑星の表面からはがれ落ちた、F型と呼ばれる光の反 射率がひじょうに小さなタイプと判明。これまで謎とされていたF型小惑星の成分は、少なくとも一部には炭素や鉄が含まれていることが示唆された。
2009年4月23日
Space
宇宙で花を育てる容器 「ルナ・オアシス」公開
NASAの実験に協力してきた米アリゾナ州のパラゴン・スペース・デベロップメント社(Paragon Space Development Corporation)は、月で植物を育てる「ルナ・オアシス計画」の第一歩として、宇宙で花が育つ容器 「ルナ・オアシス(Lunar Oasis)」を公開した。
「ルナ・オアシス」は、密封容器を三角形のアルミフレームで包んだ、いわば小型の温室器だ。高さは約45cmで、月面の実験室でも植物を保護できるようにデザインされている。中にはアブラナの種が入れられる予定。アブラナは、食用油や家畜の飼料に用いられる植物。耐寒性があり、たった14日で種子から花に成長するため、実験に適しているという。
ルナ・オアシスを打ち上げるのは、オデッセイムーン社(Odyssey Moon)。同社は、月面探査機コンテスト「グーグル・ルナー・エックス・プライズ(Google Lunar X Prize)」に参加しており、これは月面での探査機の500mの走行、指定された動画、画像、データの地球への送信を成功させた企業に、優勝賞金 2000万ドル(約22億円)が贈られるというもの。今後の実験は2012年以降になる模様。
「ルナ・オアシス」計画は、月面の温室での野菜栽培を目標としている。近い将来、月が黄色の花畑に輝く姿を目の当たりにする日がやってくるかもしれない。
Data
2009年4月16日
Adventurer
冒険家デヴィッド・デ゙・ロスチャイルド氏、
ペットボトル製ボートで太平洋横断に挑戦
英国の冒険家デヴィッド・デ゙・ロスチャイルド氏が、ペットボトル製のボートで太平洋横断の旅に出る。
彼は、英誌『タトラー』の結婚したい男ランキングでヘンリー王子の上位につき、キャメロン・ディアスとの交際が噂された、世界的大富豪名家ロスチャイルド家の御曹司だ。また、非営利団体「アドベンチャー・エコロジー」の創設者でもあり、 環境問題喚起の冒険を実施している。
今回の航海も環境問題を訴える運動の一環で、全長18mにも及ぶ双胴船には、船体のフレーム構造に空きペットボトルを1万2000本使用しているという。ソーダ類の2リットル空ペットボトルのラベルをはがして洗浄し、中にドライアイスを入れて昇華した二酸化炭素による圧力でペットボトルを強化。さらに、ペットボトルからリサイクルされた繊維をペットボトルのブロックに圧着して、ふたつの船体を製作した。マストは金属製だが、船全体のほぼ9割をリサイクル材から作り、新品の資材は全体の約10%とのこと。今回の冒険は、海洋汚染として大きな問題となっているプラスチックゴミを調査することが第一の目的だが、このボートを使用することで、物をいかにして再利用できるかという点に注目を集めることも、目的なのだ。
ちなみに、アドベンチャーエコロジーの調査によると、アメリカでは毎年700万トンのプラスチックが生産されるが、リサイクルに回るのは50万トンにすぎないのが現状という。廃棄されたペットボトルの多くが海に漂い、太平洋側に流れ出たプラスチックゴミは海流に導かれて特定海域に集まる。これは「太平洋ゴミベルト」と呼ばれ、東側部分だけでテキサス州の2倍の面積に及ぶという。
デ・ロスチャイルド氏が舵を握る「プラスティキ号(Plastiki)」は、アメリカのサンフランシスコを出発し、いくつかの島を経由しながらオーストラリアのシドニーを目指す。そして、航海後には解体され、緊急避難シェルターや運搬用のプラスチックパレット、衣服、さらには再びペットボトルとして利用されることになっている。
若き世界的なリーダーとして今回の航海に旅立ったデ・ロスチャイルド氏。この冒険が、多くの人々の環境意識向上につながり、地球への負荷の削減に向けて大きな一歩となることを願いたい。
2009年4月16日
Music
コンゴ、路上生活者によるバンドが世界デビュー
メンバーは、世界最貧国のひとつであるコンゴ民主共和国のなかでも、路上暮らしの身体障害者たちという、二重三重のハンディを持った若者たちだ。彼らは、脊髄神経の灰白質がポリオウイルスに侵され足や腕が麻痺して動かなくなる感染症「急性灰白髄炎(ポリオ)」による身体障害を持ちながらも、キンシャサ動物園付近の路上で生活し、間に合わせの改造自転車(車椅子)を乗り回してポリオの予防接種を呼びかける歌を歌っている。それは、ある時はルンバ、ある時はキューバ音楽、またある時はJBファンク、レゲエなど、どのジャンルにも属さない独創的でパワフルな音だ。
人間に「再起不能」なんてことは絶対ない
お前にもチャンスが予告なしに訪れる可能性もある
人生に「遅すぎる」なんてことは絶対ない
いつの日かオレもひと花咲かせるから
——収録曲『TONKARA』より
多くのハンディを強さに変えて歌う彼らの音楽は希望に満ちている。高揚感溢れるヴォーカル、最年少17歳の天才が放つブリキの空き缶を使った一弦ギターの音色、このバンドのソウルフルな音楽は国境を越えて多くのリスナーに感動を与えるに違いない。
Data
Crammed Discs
http://www.crammed.be/2009年4月16日
Event
靖国神社「夜桜能」、薪への“火入れ”の任を務めたFaust〈動画〉
2009年4月 9日
Fashion
気鋭のゴルフウェアブランドがコンセプトストアを初出店
ロサンゼルスのシャトーマーモントの丘に住む実在のカップルMARKとLONAのゴルフスタイルからインスパイアされたゴルフウェアブランド「MARK&LONA(マーク アンド ロナ)」。この3月、初のコンセプトストアが「MARK&LONA plus」として表参道ヒルズにオープン。同店ではアクセサリーや、キャディバッグを中心にエクスクルーシブアイテムを展開。フェアウェイのグリーンを想像させるフィッティングルームも遊び心がきいている。
貿易会社を営み世界中を旅するMARKと、キャメロン・ディアスを始め、ハリウッド女優からご指名のメイクアップアーティストLONA。「多忙を極める2人が芝の上で束の間のプレイを楽しむ時、そのスタイルはリラックスムードと同時に、フェアウェイという絨毯に映えるハイエンドなデザイン性を兼ね備えたものでなければならない」とデザインチームは話す。スカルマークをアイコンに、ゴルフギアのクロスボーンや、「BUNKER YOU」「GOLF OR DIE」といった遊び心のあるコピーなど、従来のウェアに飽きたゴルファーたちのアンテナをくすぐるユニークなラインナップ。吸汗即乾素材や立体裁断を使用し、通気性や保温性でも充分フィールドに絶えうる機能性を持ち合わせている。
Data
MARK&LONA plus(マーク アンド ロナ プラス)
http://www.markandlona.com/
問/Tel.03-5771-0967
2009年4月 9日
History
4500年前の「屈折ピラミッド」内部、一般公開へ
エジプトの首都カイロ南方約80キロのダフシュールにある「屈折ピラミッド」内部の一般公開が、同国考古最高評議会のザヒ・ハワス事務局長の証言により明らかになった。
屈折ピラミッドとは、下部では54度ある傾斜角が、途中から43度に変わる特異な形をしたもので、古代エジプト・古王国時代第4王朝のファラオでクフ王の父でもあるスネフェル王が紀元前2600年頃に造営したものと考えられ、三大ピラミッドなどと共に世界遺産に登録されている。内部には大ピラミッドと同様に通路や部屋が設けられ、地下には迷路のような回廊があることが知られているが、これまで一般向けには公開はされていなかった。ちなみに、傾斜角が突然変わる理由については諸説あり、下部が上部の重さに耐えられない可能性から設計変更されたという説が有力のようだ。
エジプト考古庁によれば、来月にも一般公開する方針とのこと。墓を暴く侵入者を阻む巨大な迷路、王が眠る石櫃の仕掛け、財宝がある宝物庫部屋。インディージョーンズになったつもりで古代のロマンへ思いを馳せるのも一興ではないだろうか。
Data
エジプト観光庁
http://www.egypt.travel/2009年4月 2日
Car
ランエボを華麗に操る少年、なんと11歳!
少年は、歴代のランエボを改造し数多くのラリーに参戦しているフィンランドの「ヴァン・デン・へーベル モータースポーツ社(Van den Heuvel Motorsport)」オーナーの息子、Heuvel Jr君。オランダ生まれ、現在フィンランド在住という。動画では、助手席にナビゲーター役の母親を乗せ、大人顔負けのステアリングさばきとアクセルコントロールで、氷上をスムーズに走行するシーンが紹介されている。
フィンランドと言えば、ユハ・カンクネン、トミ・マキネン、マーカス・グロンホルムなど、多くの有名WRCドライバーを輩出したことで知られる国。 若干11歳にしてランエボを華麗に操る Heuvel Jr君も、近い将来名を連ねるに違いない?
驚きの動画はYouTube内の「Finland Heuvel Jr Test」で公開中。
Data
ヴァン・デン・へーベル モータースポーツ
http://www.heuvel-motorsport.com2009年4月 2日
Car
「ポルシェ スポーツ ドライビング スクール ジャパン」、富士スピードウェイで開催決定
ポルシェジャパンは、ポルシェAG公認のプログラムによる「ポルシェ スポーツ ドライビング スクール ジャパン」を、富士スピードウェイで開催する。
「ポルシェ スポーツ ドライビングスクール」は、世界各国で開催されるポルシェオーナーのためのドライビングレッスンイベント。ヨーロッパではホッケンハイムやニュルブルクリンク、マニクールなど、F1グランプリが開催されるサーキットで実施されている。今回は日本開催。一般公道では体験しがたいポルシェのパフォーマンスや、より高度なセーフティ&スポーツドライビングテクニックの習得を目的としたオーナー向けのプログラム内容で、参加者は自身のスキルに合うプログラムを選択し、ポルシェ認定インストラクターの指導のもとスキルを磨く。
用意されたプログラムは、ポルシェの基本性能の体験とスポーツドライビングテクニックの基礎習得を目標とした 「Worm up」と、「Worm up」から更なるスキルアップを目指す「Precision」、サーキットドライビングの基本を中心に、ポルシェが持つ本来のハイパフォーマンスを体験できる「Performance」、限界コーナリング時のオーバーステア(ドリフト)コントロールテクニックを習得できる「G-Force」「G-Force +」の5種類だ。開催は5月26日から6月4日までで、プログラムごとに日程が異なる。
この「ポルシェ スポーツ ドライビング スクール ジャパン」は、ポルシェオーナーのための小さな冒険イベントと言えるだろう。ドライビングテクニックの取得はもちろん、ポルシェを所有する喜びを体感できる絶好のチャンスとなるはずだ。