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Vol.10
悪魔の門に捧げる踊り
La Puerta del Diablo, Bolivia / ラ・プエルタ・デル・ディアブロ・ボリビア

写真家・竹沢うるまが切り撮る“現在の地球”
いま、世界一周の途中。

 世界一周の旅に出てはや半年。ペルーから陸路、標高4500m級の山々をいくつも越え、ボリビアの首都ラパスに辿り着いた。そこからさらにバスを乗り継いで12時間、世界最高地に位置する標高4000mの街、ポトシに到着。

強烈な日差しと乾燥した大地、そして朝晩の冷え込み。鉱山で栄えるその街を一歩出ると、無味乾燥な山岳砂漠地帯が続く。その岩だらけの瓦礫の山の中に、数十軒ほどの民家と教会が一軒あるだけの小さな集落ラ・プエルタ・デル・ディアブロがある。直訳すると悪魔の門。ここで年に一度の祭りがあると聞きつけ、行ってきた。

到着するとすでに小さな広場に無数の人だかりができている。その真ん中で、色鮮やかなアンデスの民族衣装に身を包んだ人々が踊っている。

その踊りの集団からは目に見えないエネルギーが放出されているようで、引きつけられるように人垣をかき分け、間近まで迫った。披露されているのはティンクと呼ばれるこの地方発祥の独特な踊り。踏み出す足の力強さ、翻る民族衣装の色鮮やかさ、踊り手たちの表情に溢れる自信と笑顔。それらが彼らの心の奥底から湧き出るエネルギーとして、踊りを通じてその場に放出されている。人々はそのエネルギーに引きつけられ、その踊りを見ているというより、彼らの心の中の世界を覗いている気分になる。

ティンクの踊り手たちの写真を撮り終わった後、踊り手のうちのひとりの女性が、すっとその衣装に飾られている色鮮やかな羽飾りを抜き取り、それを僕に手渡しこう言った。「私のかわりにこれを持って旅をして、そしていつか日本に連れて行ってあげて」。僕の旅に彩りがひとつ増えた瞬間だった。

 

写真家・竹沢うるまは今現在、陸路での世界一周の空の下にいる。2010年3月に東京を出発し、アメリカからスタート。中米、南米、アフリカ、ヨーロッパ、中近東、アジアを巡り、日本へと帰る旅。帰国は2011年、場合によると2012年になるという。
目的は“現在の地球の姿”を、その若く瑞々しい感性で写真で記録すること。この連載は、地球のどこかを旅するうるまから届く、生の写真とエッセイをお届けするものだ。 さらに、うるまが本当のゴールとするものは、30年後に再び同じルートで世界を撮影して巡り、写真を比べること。そして、ひとりの人間の半生の間に、地球はどこに向かったのかを映し出すこと。

「私たち人間は、この地球という星のことを、一体どれだけ自分の言葉で語れるでしょうか。“ボクらが生まれた星”はいったい今どんな姿なのか、ひとりでも多くの人に伝えたいと思います」――竹沢うるま

 

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竹沢 うるま
1977 年生まれ。写真家。「うるま」とは沖縄の方言でサンゴに囲まれた島の意。出版社のスタッフフォトグラファーを経て、2004 年独立、URUMA Photo Officeを設立し活動開始。雑誌、広告の分野で活躍し、海外取材は通算100回を超す。世界中の自然を主なフィールドにする自然写真家。現在、世界一周の旅を敢行しながら作品を寄稿中。立ち寄った国はすでに10カ国を超えた。
公式サイト www.uruma-photo.com

著作物
写真集「URUMA –okinawa graphic booklet-」(マリン企画)、「Tio's Island ~南の島のティオの世界~」(小学館から2010年7月20日に発売)。その他ポストカード、カレンダー等。
個展暦
2005年「TWILIGHT ISLAND」(DIGZ原宿)、2007年「Rainbow's End」(Palau Pacific Resort)、2007年「URUMA -日本の異次元空間を旅する-」(丸善・丸の内本店)、2008年「Tahiti ~タンガロアが創った島々~」(PENTAX FORUM)、「Tio's Island」(大手町カフェ) 、2009年「Tio's Island ~南の島のティオの世界~」(KONICA MINOLTA PLAZA)

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