Journey to Eastern Cape 2
冒険の連続に浸る!
大自然に触れるイースタンケープ・ジャーニー
TRENNERYS HOTEL
MKULU KEI HORSE TRAILS & RIDING HOLIDAYS
CAVERS COUNTRY GUEST HOUSE
南アフリカでも“冒険の州(Adventure Province)”を誇るイースタンケープ。海と山に恵まれたこの州は、サファリ、サーフィン、フィッシング、ロッククライミング、そして英国スタイルのホスピタリティなど、旅人を魅了する要素がいっぱいだ。ビッグファイブに出会えた感動の初日以降も、さまざまな冒険が待っていた。
ジャングルを抜けて、天然のプールにダイビング!
旅の2日目、私たちはインド洋に流れ出すケイ川(Kei River)の河口「ケイ・マウス」にいた。ここから川を渡り、荒々しい海岸線が250km続く「ワイルドコースト」エリアを探検するのだが、橋は154km上流までなく、「ポント」と呼ばれる筏(いかだ)のような渡し舟に乗り込んだ。水位が上がらない限り365日稼動するポントは住民の足であり、とても平和な乗り物だ。静かにゆっくりと進んでいく。やがて人の気配のない対岸に上陸すると、「トレンネリーズ・ホテル(Trennerys Hotel)」をめざして、車は土煙を巻き上げながら牧歌的な丘陵地帯を走ったのだった。
崖の上に建つトレンネリーズ・ホテルは、コテージやレストランを擁した大自然の中の小さなリゾート施設。ここからボートを使ってクオロルハ川(Qholorha River)を遡行し、ジャングルトレッキングへと出掛けた。この地方は亜熱帯性気候で、鬱蒼とした森にはツタが絡まり、時々、けたたましい鳥の鳴き声が空から降ってくる。ガイドのトレバーの指示でボートを降りた私たちは徒歩でジャングルを進み、やがて小川のほとりで足を止めた。「そういえば、アシスタントのカルロスがいないね」。ケンのいう通り、ボートを運転していたもう一人のガイドが見当たらない。と、そのとき、小さなボートに乗ってカルロスがやってきた。どうやら私たちをさらに奥地へと運んでくれるらしい。
5人乗りの小舟は、小川の終点を目指して進む。川は「ザ・ゲーツ(The Gates)」と呼ばれる2つの大きな岩の先で終わっていた。「さあ、ボートを降りて岩の上を歩こう」。切り立った岩を越えて見えたのは、川を堰きとめてできた自然の池。まだ上流があるらしく、奥の岩からはきれいな水が流れ出ている。昔、ここを見つけた人は自分だけのシークレットな場所にしたに違いない――そんなことを思いながら秘境の景色に見とれていると、トレバーが「これはとても深い天然のプールさ。泳がないのか?」と促す。亜熱帯性気候といっても今の季節は15度もない。何よりも、ここからの高さは10メートルほどもあるではないか。遠慮しようと苦笑いでごまかしていると、大きな水しぶきがあがり、ボツワナからきたパコが水面に顔を出した。雄雄しい冒険者がいたものだ。
馬の背に揺られるサンセットタイム
ジャングルトレッキングが終わり、再びポントに乗ってケイ・マウスに戻ると川岸には十数頭の馬がいた。「さあ、ここからホテルまでは馬よ! 私はシェリル!」。大声で馬と人間の両方を仕切ったのは、髪を三つ編みに束ねたワイルドな女性だった。今度は乗馬らしい。ふとオーストラリアのブッシュでの苦い経験がよみがえる。あのときは馬がいうことを聞いてくれなかった…。果敢な飛込みを見せたパコも「オレ、馬乗ったことないんだけど」と口数が少ない。
結局、大きな心配は無用だった。シェリルから手短かなレクチャーを受けた私たちは、最初は戸惑ったものの、「馬を信頼する。そして甘やかさない」というアドバイスに従い、15分もするとカメラのシャッターを切れるほどに慣れていた。ケイ・マウスは人気のリゾート地だ。一部でホテルや別荘、ゴルフ場が展開されているが、目に飛び込む風景のほとんどは大自然。約2時間のホーストレイルでは、砂丘、森、川、平原といったさまざまな地形を馬上から楽しむことができた。
遠くに虹を見つけたり、ゴルフを楽しむ人に手を振ったりしている間に、ケイ・マウスの空は茜色に染まっていた。そろそろ私の馬は腹が空いたのだろう。道草を食べるなど放埓な態度を取るようになり、とうとう眼下に町の明かりが広がると、急な坂を駆け出してしまった。パカッパカッパカッ! こちらは振り落とされないように姿勢を正すのが精一杯でとても止められない。じつはもうゴールが近づいていて、その先に彼らのねぐらがあったのだ。ずいぶん乗れるようになったと自負していたが、やはり馬にバカにされていたようだ。
エデンの園を持った英国調マナーハウス
ところでファウストの皆様には、英国のマナーハウス滞在の経験がある方もいることだろう。中世時代の領主の邸宅を改築したゲストハウスは、調度品、建物、景観、ホスピタリティなど、すべてにおいて上質を追求し、田園の中で豊かな時間を過ごせるのが魅力だ。18世紀から20世紀にかけてイギリスに統治された南アフリカ南部(旧ケープ州)にも素晴らしいマナーハウスが存在する。「ケイバーズ・カントリー・ゲストハウス(Cavers Country Guest House)」もそのひとつで、この国でもっとも美しい庭のひとつを擁することで知られている。
イーストロンドンから始まったイースタンケープの旅は、海岸沿いに北上した後、国道63号線に入って内陸を西へと進んだのだが、その途中にケイバーズはあった。大草原の一本道である63号線から、砂利道に反れて進むこと7km。人気のまったくないサバンナの中で、ケイバーズにはゴルフ場のような眩しい芝生が広がっていた。3ヘクタールの敷地を飾るのは、色とりどりの花や木を、石や水辺を取り入れてアレンジした見事なイングリッシュガーデン。庭をひき立てるようにゲストハウスやオーナーの家が点在し、エデンの園と言いたくなるような光景を造っている。「Lovely to meet you!」19世紀から牧畜農場を所有するロス家の5代目当主、ケネスと妻のロザンヌが私たちを出迎えた。
泊まったのは、蔦のからまる1850年築の邸宅だった。4つの寝室、リビング、ダイニング、書斎をゲストだけで自由に寛げるこのゲストハウスは、暖炉の火とワインで旅人を暖かく迎え入れてくれる。ディナー前にはロス夫妻もやってきて、書斎のテレビでグラス片手にラグビーのワールドカップを観戦。「よしトライ! スプリングボクス(南アのナショナルチームの愛称)最高!」。南アフリカは前回の優勝国だけに、否が応でも盛り上がり、書斎はラグジュアリーなスポーツバーと化していた。その後、私たちはキャンドルの灯されたダイニングルームで、自家製の肉や野菜を使った美味しい食事を堪能したのだった。
ホーホー。外ではフクロウが静かに鳴いている。一日の締めくくりはリビングの暖炉を囲んでのナイトキャップ。すでに使用人たちも帰った様子でゲストハウスには我々の声だけが響いていた。ケイバーズと空の星以外、辺りに灯りはない。旅の話は尽きることなく、大自然に抱かれながらイースタンケープの夜は更けていった。
TRENNERYS HOTEL
http://www.trennerys.co.za/Home.aspx
TEL. +27 (047) 498 0004
FAX. +27 (047) 498 0011
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価格(1人1泊2食付)
ZAR495~550
ジャングルトレッキングは滞在中のアクティビティに含まれています
価格は2人以上で1部屋を使用した場合
12月10日~1月20日の価格はZAR725
ZARは南アフリカランド。1ZAR=約11円(2011年11月現在)
MKULU KEI HORSE TRAILS & RIDING HOLIDAYS
http://www.mkulukeihorsetrails.co.za/index.htm
TEL. +27 (083) 632 7298
FAX. +27 (086) 523 8259
info@mkulukeihorsetrails.co.za
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乗馬の価格(1名)
2時間 ZAR250
1日 ZAR580
2日前までに予約が必要です
2日間以上のコース(宿泊付き)もあります
ZARは南アフリカランド。1ZAR=約11円(2011年11月現在)
CAVERS COUNTRY GUEST HOUSE
http://www.cavers.co.za/
TEL. & FAX. +27 (046) 6850 619
info@caverx.co.za
より大きな地図で Cavers Guest House を表示
価格(1泊朝食付き)
ZAR400~600
夕食やランチは相談に応じます。詳しくはお問合せください
ZARは南アフリカランド。1ZAR=約11円(2011年11月現在)
Journey to Eastern Cape シリーズ1・2・3
- 1_憧れのビッグファイブに会いたい!南アフリカ、感動のサファリを旅する
2011/11/10 - 2_冒険の連続に浸る!大自然に触れるイースタンケープ・ジャーニー
2011/12/22 - 3_至福の天空ピクニックでサファリを窮める
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Text&Photos: Chie Odashima
Cooperation:South African Tourism
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