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「行き先は花に聞いてくれ」
南アの砂漠に出現する神秘の花畑を追う旅へ

花畑の多くを占めるオレンジの花は「ナマクワランド・デイジー」で、この地域特有の植物約3000種のうちの一種。地球の軌跡と大自然の奇跡を追って、「花追い人」たちはひたすら幻の花畑を追います。

砂漠と岩肌からなる草木もまばらな大荒野に、一年に数日だけ燃え上がるように咲く“神秘の花畑”があるのをご存知ですか?
南アフリカ北西部、隣国ナミビアとの国境に隣接する北ケープ州。南アといえば、サファリリゾートを始め、名門ゴルフ場やワイナリ―が注目されがちな国ですが、南ア通の旅人たちが“一年のある時期”だけ目指すのが、ナマクワランドと呼ばれる砂漠地帯です。アフリカ大陸にまたがるカラハリ砂漠、太古からつづく岩肌むき出しの大自然がそのまま残っています。
この約44万平方kmに及ぶ荒野一帯に、1年に1度、7月に恵みの雨が降り、8月後半にだけ突如美しい花畑が出現するのです。そして、そのいっせいに現れた点在する花畑を、開花情報をもとに追いかけ、パワフルな4WDで砂漠を走りぬける旅人を“花追い人”と称します。
その旅は、ヨハネスブルグから国内線飛行機で約40分の町、アピントンから、オーグラビースの滝を目指すところから始まります。まずは「フラワーガイド」を雇います。地の利に長けた専門知識とコネクションは、“神秘の花畑”を追うのに欠かせません。
初日の宿は、オーグラビース国立公園内のコテージがお薦め。クロサイをはじめ、数多くの野生動物が生息する上、日没と早朝には、山肌に覗く何万年もの時を刻んだ地層が陽に照らされる“マジックアワー”に、息を呑むことでしょう。日照とともに活動を始める野生動物の声で朝を迎え、数日間に渡る“花追い人のバカンスが始まるのです。

左:開花情報をもとにクルマを飛ばして移動。エリア内には、洗練されたB&Bやコテージも多数ありますが、キャンピングカーで花を追う現地の人々 の姿もあります。砂漠の中にはスプリングボックやクロサイをはじめ、野生の動物たちが生息。日本ではまず見ることのできない現地特有の鳥たちの生態系を垣 間見ることもしばしば。
中央:花追い道中の先々で見かける現地の小鳥特有のコロニー。曾孫までの代、計約150匹が共存するとか。ちなみに別種の鳥の中で唯一「ピグミー」は、小鳥の天敵である卵を狙う蛇を撃退するので、“居候”を許可されているそう。
右:低い木立は「アロエディコトマ」という当地特有のアロエの一種。樹齢百年近いものもあり、高さ5メートル近くまで成長。原住民、コイ族やナマ族は空洞になった茎や枝を矢筒として用いたそう。

今ここだけでしか見られない光景を目に焼き付けるために

一見、木の実に見えますが、これはパームツリーの枝に作られた鳥の巣。1本の木に50個前後の巣が。

8月末に、いっせいに芽吹く花畑は、ナマクワランド特有の約3000種の植物を含みます。その花の絨毯は場所によって各々特徴が異なり、日頃は花や植物に 興味のない人々も、生命の神秘に深く感動をおぼえることでしょう。文字通り、世界中で今このときだけ、ここでしか見られない光景。その花畑を目に焼き付け たら、また新たな花畑を求めて移動します。
また、その旅を彩るのはインパラ、クロサイ、フラミンゴの大群をはじめとする野生の動物たち。旅の間の「食」は、現地ならでは生命力みなぎるもの。朝食は ダチョウの卵のオムレツ。昼食は喜望峰近海で獲れたシーフードや水牛の乳で作られたモッツァレラ。ディナーは、南ア特有ならではの野禽類(ジビエ)や植 物、野菜も是非。近年評価の高まる南ア産のワインも見逃せません。
加えて、宿泊場所もメンバーの皆様次第。やや“ワイルドな”宿から、荒野の真っただ中にもかかわらず、「こんな所に!?」というような、往時のビクトリア王朝期の貴族の旅を思い起こさせる宿までもが点在。
夜が明ければ、再び花追い人の旅が待っています。

しかし“幻の花畑”はたった数日で消滅、もとの荒野へと戻ってしまいます。荒野に、その一瞬だけ命を燃え上がらせる花の姿を追い、フラワーガイドを頼りに ひたすら移動。最終地点のケープタウンまで実に約1000㎞に及ぶその旅は、「行く先は花畑に聞いてくれ!」と言わんばかりの、男のロマンが匂うもので す。
砂漠地帯ゆえに道中の気候変化はもちろん激しく、そんな地球の壮大なパワーの中に身を委ね、自然の神秘の発露である花畑を気ままに追う旅。心身共に素晴らしいエナジーチャージになること間違いなしなのです!

左:ランバーツ・ベイには、以前はアフリカペンギンも住んでいましたが、今はオットセイに追われボルダーズビーチへ移動したそう。
中央:オーグラビース・フォールズ国立公園の滝。アンチエイジングとヒーリングに絶大なマイナスイオンとオゾンに満ち溢れたパワースポット。5414ヘク タールの広大な国立公園の中にある滝は、56mの落差があり、世界大6位のスケール。「オーグラビース」は、公用語のひとつのズール語で「すごい騒音のす る場所」の意味。
右:マジックアワー時のオーグラビース国立公園。

Data

JTBグループ
株式会社PTS
ナマクワランドツアー係

Tel.03-5391-1931
http://www9.plala.or.jp/nasukko/tour-2009.htm
担当:上田 yueda@ptsnavi.jp

南アフリカ観光局 

http://www.southafrica.net/index.cfm?CountryProfilID=8

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