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進化し続けるコンチネンタルGTシリーズにニューモデル登場
Bentley New Continental GT V8

ベントレーは1950年代にRタイプコンチネンタルというモデルを発表している。彼らがはじめて“コンチネンタル”という名前を授けたクルマだ。その名には島国英国のヨーロッパ大陸に対する憧れが含まれていたという。どこまでも続く道に沿ってロングドライブをする。そんな感覚だろう。







そして現代。そのコンチネンタルという名前を継承するのが、お馴染みのコンチネンタルGTシリーズ。2004年にリリースされるとあっという間に世界中のセレブリティたちがガレージに納めるようになった。2006年には我が国でも年間500台以上が登録されたというから驚かされる。あれから6年。2012年のベントレーはというと、コンチネンタルGTシリーズは第二世代に入り、さらにV8エンジンを積んだコンチネンタルGT V8が追加された。V8モデルにはオープントップのGTCも追加される。もちろん、こうしたニューモデルラッシュにマーケットが反応したのはいうまでもなく、販売成績は右肩上がりだとか。

そんな中、またまた新たなモデルが現れた。コンチネンタルGTスピードである。すでに第一世代にもラインナップされていただけに、お馴染みの方も多いと思われる。W12エンジンを搭載したスタンダードのGTをより強力なハイパフォーマンスマシンにしたものだ。
ではその特徴を列挙してみよう。
・最高出力はスタンダードGT+50psの625ps
・最高速度はベントレー史上最速の330km/h
・0-100km/h加速はわずか4.2秒、0-160km/h加速はたった9秒
・第一世代比でエンジンの燃費と二酸化炭素排出量を12%改善
云々となる。

もちろん、スペシャルなのはハードウエアだけではない。スタンダードのGTには設定されていなかった100色にもわたるボディカラーをオプションで用意。さらにそこにイメージする色がなければ、スペシャルカラーチームが好みの色を再現してくれるという。また、インテリアの凝りかたも尋常じゃない。フェイシャルにはウッドパネルからカーボンパネルまで豊富に用意され、レザーもステッチやらパイピングやら自由に選ぶことができる。昨年取材で英国クルー工場を見学したとき、その辺のチカラの入れようを目の当たりにした。独立したウッドパネルを乾燥させる部屋があり、そこにはまるで森林浴でもしているような香りが漂っていた。それにミシンを自在に扱う刺繍部隊も壮観。数十人がミシンと格闘している。これぞ近代的な工場でありながらクラフトマンシップの重要性を見事に両立させている姿である。ちなみに、ベントレーといえばマリナーが有名だが、現在は子会社化し、同じクルーの敷地内に置いている。その意味では、マリナーを使ったオリジナル仕様をつくるのもそれほど難しくない。オーダーする側の楽しみは増えたと言っていい。

では最後に実際にGTスピードを走らせた感想だが、+50psのチカラは予想以上で、一見大きなこのボディを軽々しく前へ運ぶ。軽快なハンドリングと合わせ、まるでふたまわりくらい小さくなったようだ。さらにエグゾーストサウンドのチューニングはすばらしく、回転域が上がるとレーシングカーばりに鳴り響く。スタンダードGTもなかなかだが、こちらもクルマ好きを唸らせることだろう。
また、それだけの演出とパフォーマンスを持ちながら乗り心地にジェントルさを確保しているのも見逃せない。電子デバイスでダンパーを固めても気品ある乗り味は失わないのだ。

さてさて、そんなコンチネンタルGTスピードだが、こいつがマニアックなポジションのクルマではないことを最後に付け加えよう。それはプレゼンテーションの資料の中にあったが、GTスピードは先代モデルでも販売台数はGTとほぼ同等とあった。つまり、けっしてニッチな商品ではない。通常この手のモデルは限定車になってマニアの必須アイテム化するのがパターンだが、こいつは違う。まぁ、それだけベントレーオーナーがハイスペック車を求めているということだろう。およそ一世紀前、W.O.ベントレーがレースに勝つためにつくったクルマのDNAはいまも生き続けている。

Data

Bentley New Continental GT V8 ホームページ
http://www.bentleymotors.com/models/new_continental_gt_v8/

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