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いまなお進化し続ける
もうひとつの女王陛下御用達グルマ
ランドローバーエクスペリエンスの一角にあるシャトーにはメディア向けにマイルストーンとなるモデルが用意された。1948年型のファーストモデルから英国陸軍依頼の軍用車までじつに様々。どれも試乗可能というコンディションを保つ。
英国のラグジュアリーカーブランドはたくさんあります。ロールス・ロイスにベントレー、それにアストンマーティン。でも、3つのロイヤルワラント(英国王室御用達)を所有しているブランドといえば、ランドローバーがすぐに挙ります。中でも、エリザベス女王即位の周年パレードにも使われてきたレンジローバーは、まさに英国王室御用達の一品です。
ちなみに、ロイヤルワラントはこれまで、エリザベス女王、エリザベス皇太后、チャールズ皇太子、エジンバラ公の4つでしたが、2002年にエリザベス皇太后が亡くなり、現在は3つとなります。
さて、そんな「レンジローバーヴォーグ」がフルモデルチェンジしました。といっても好評だった三世代目を煮詰めるといったもので、新型エンジンの搭載と進化した電子デバイスが今回のテーマとなります。よって、エクステリアデザインは先代を踏襲しながら細部をよりエレガントにしたカタチとなりました。
一方、目玉のエンジンですが、これは排気量、パワーともども大きくなり、総排気量は5リッター、最高出力は自然吸気で375ps、スーパーチャージドで510psとなります。なんとカイエンターボの500ps超えです。このユニットはジャガーと共有しますが、しっかりとレンジ用にセットアップされていて、防水対策や45度の傾斜でのオイル回りなどをオリジナルで施しています。
電子デバイスでは、お馴染みのテレインレスポンス※に、サンドエリアの脱出用コントロールが追加され、さらにヒルディセントコントロール※には初期動作の勢いを緩和するプログラムが組み込まれました。要するに、坂の下りはじめも2トンのボディでドンといくのではなく、じわじわと走り出してくれるわけです。こうした細かい心遣いが王室御用達のなし得るワザなのでしょう。
※ヒルディセントレスポンス…… 急な坂道を下る際に、自動でABSを作動させて低速での走行を行うシステム
そんな新型レンジローバーをロンドンからクルマで2時間程走ったところにあるイースナー(Eastnor)でテストドライブしてまいりました。
ここは「ランドローバー・エクスペリエンス」と呼ばれる彼ら自慢のオフロードコースで、テストコースとしてクルマの開発に大きく携わっている場所です。コースは主に林間で、泥路を登ったり下ったり。ダウンヒルは30度以上あるでしょう。
しかし、そこでの走りはまったく不安のないものでした。テレインレスポンスが各タイヤに細かくトラクションをかけたりブレーキをかけたりします。時には2つのデフを瞬時にロック&解除するといったことも。川渡りもそうです。水深700mmまでOKというだけあり、川底の砂利も難なくこなします。
これまでも北米、ヨーロッパ、そしてアフリカ大陸といった世界中のオフロードコースで様々なクルマに乗り、こうしたテストドライブをこなしてきましたが、その中でも確かにここはタフなコースでした。
そのコースでこれほどの走りを見せるとは、世界唯一の4WD専門ブランドはいまも健在といったところでしょう。
全長4970×全幅1955×全高1880mm、ホイールベース2880mm
エンジン:5リッターV8 DOHC/同+スーパーチャージャー、最高出力375ps/6500rpm/510ps/6000-6500rpm、
駆動方式:フルタイム4WD、定員:5名、価格:1329万円~
ランドローバー オフィシャルサイト
http://www.landrover.co.jp/jp/ja/home.htm
Test Driving & Text: Tatsuya Kushima(Motor Journalist)
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