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トヨタが威信をかけて生んだ
ハイスペックな究極の1台

LEXUS LFA

試乗開始からおよそ5分。高速に乗りトンネル内で前が詰まってきたので、ステアリング上のパドルで減速すると、まるでレーシングカーのようなエンジン音が辺り一面に鳴り響きました。「ナニ、いまの音?」、思わず助手席のカメラマンと目を合わせてしまうほど……。 

From Faust A.G. Channel on [YouTube]

噂のLFAを緊急試乗!ココロくすぐるエンジン音が堪らないムービー。
★【YouTube:FaustA.G.チャンネル】でもご覧いただけます(スマートフォンの方 はこちらがオススメ)

CFRP(カーボン・ファイバー・レインフォースド・プラスチック)と呼ばれる軽量素材でつくられたボディを持つLFA。キャビンの65%はCFRPで、残りは中空構造のアルミ鋳造物で構成される。この技術は今後レクサスの量産モデルに反映される模様。
ドイツ、ニュルブルクリンク24時間レースでの経験を取り入れたレーシーなエンジン。V10という超マルチシリンダーながら最高出力を8700回転という高回転領域で発揮する。0-100km/h加速は3.7秒、最高速度は325km/hの達する(日本仕様は180km/h)。

カーボンファイバーボディを持った超軽量FRパッケージの「LFA」は、トヨタの威信をかけたクルマです。開発決定が2000年くらいにされて、昨年12月の生産開始までおよそ10年の歳月を経て完成した渾身の1台です。生産台数は500台の限定で、25ヶ月間にわたり月産20台が市場にデリバリーされているそうです。価格は3750万円。すでに完売状態だそうで、プライス相応のハイスペックにマーケットも納得と言ったところでしょうか。
今回、そのLFAを一般道で乗ることができました。市街地と高速道路というあらかじめ決められた走行コースなので、LFAのパワーを十二分に体感するわけにはいきませんでしたが、ステアリングを握る機会はないと思っていたので少々興奮気味。冒頭のシーンはそのひとコマです。
エンジンは4.8リッターV10が搭載されています。最高出力は560hpでそれを8700回転で発揮するという高回転型。アイドリング状態から9000回転までわずか0.6秒で吹き上がるというのですから、どれだけスムーズなのでしょう。ブリッピングしたときのエンジン音が瞬時にトンネルに響き渡ったときには本当に驚きました。資料によると、開発チームはエンジン音をかなり意識的にチューニングしたようです。9000回転でF1マシンと同じ高い周波数を出すとともに、そこにオクターブ音を重ねたとか。F1のノウハウがこんなところにも注入されているのはビックリです。
サスペンションはアルミ合金でつくられたダブルウィッシュボーン式。この辺は前後48:52の重量配分やカーボンボディとともにニュルブルクリンクで走行テストを繰り返してきた結果で採用されたシステムと言えます。軽量アルミ合金というだけでもビックリですが、アルミ鍛造製のナックルと中空スタビライザーを装備するのですから、バネ下重量はかなり軽くなっていることでしょう。 もちろん、フットワークのよさは高速道路でのちょっとした車線変更でもわかります。ステアリングに対し抵抗なくスッと移動する感覚は印象的。ちなみにタイヤサイズはフロントが265/35ZR20、リアが305/30/ZR20。そしてグッと止まるブレーキもなかなかの感動モノです。
では、インテリアはどうなっているかと言えば、じつはエンジン音、軽快なフットワークと同じくらいに驚きました。とりわけドライバーズシートに座った瞬間のおさまりのいいポジションと、オリジナル性の高いインパネまわりのデザインがかっこいい。ここはナニモノにも似ていないLFAだけの世界観です。

クルマのセンターに位置されたシート。重量配分にこだわったレイアウトであることがわかる。シート素材はレザーまたはアルカンターラ。シートはベックレストとサイドパーツからなるレーシーなバケットタイプ。
スイッチ類は極力少なくシンプルなデザインに抑えられる。出っ張りをなくしたのが特徴だろう。洗練されたインターフェイスがレクサスの未来を予感させる。
LFAのメーターはTFT液晶モニターによって映し出される。メーター内にはデジタルスピードメーター、ギア段表示、トランスミッションモード、ビークルコントロールデータ、タイヤ空気圧警報システムなどが表示される。

総合的に見てLFAの走りはクセのない扱いやすいものでした。強靭なストッピングパワーを備えているので、少々ラフなアクセルワークも心配ありません。ステアリングも弱アンダー傾向で、いきなりオーバーステアに転じる気配もなし。ただ、サーキット走行ではないのでその辺はなんとも断定できませんが……。 とにかく、誰もがそこそこ速く走れるのがトヨタ流。ほかの車種でエンジン音を消してきた会社がよくぞここまで……感動です。
欲をいえばスリーサイズはもうひとまわり小さくてもよかったかもしれません。全長4505×全幅1895mmはFRパッケージとしてはイマドキサイズですが、全長4400mm以下だともっとおもしろそうにも思えます。まぁ、その辺は次回を期待するということで。

 

LFA(欧州仕様)主要諸元 ※社内測定値・目標値を含む

 全長×全幅×全高(mm) 4505×1895×1220
 ホイールベース(mm) 2605
 トレッド 前後(mm) 1580/1570
 車両重量(kg) 1480
 乗車定員(人)
 エンジン

型式/総排気量(cc):1LR-GUE/4,805
種類:V型10気筒DOHC
最高出力(kW[PS]/rpm):412[560]/8,700
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):480[48.9]/6,800

 変速機 6速ASG
 駆動方式 FR
 サスペンション 前/後 ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
 ブレーキ 前/後 265/35ZR20(95Y)/305/30ZR20(99Y)
 最高速度(km/h) 325 0-100km/h
 加速(sec.) 3.7

*販売台数:全世界で限定500台
*販売価格:375,000ドル程度 (国内でのメーカー希望小売価格は3,750万円)
*生産期間:2010年12月~2012年12月
*標準モデルに加え、今後、スペシャルモデル(2012年年初から生産開始)として新色を設定した仕様や、よりサーキットでの走行を意識した仕様も販売

Data

公式ホームページ
http://www.lexus-lfa.com/

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