人々にかつてない体験を―
夢を創造するシルバーシークルーズ
スティーブ・オデル
シルバーシー・クルーズ ヨーロッパ、アジア・パシフィック社長
広い海を渡っていく美しい客船。その白い姿は多くの人々を魅了する。
そのクルーズの旅において、世界トップのブランドとして知られるのがシルバーシー・クルーズだ。旅雑誌『コンデナスト・トラベラー』ではワールドベストを9度受賞し、世界中にファンを持つシルバーシー・クルーズには、2つの絶対的な魅力がある。
一つは、そのラグジュアリーな船だからこそ受けられる究極のホスピタリティ。船の中には、劇場やプール、レストランにカジノといった施設が充実しており、その内装も目を見張る美しさ。船の上とは思えない、いわば街のような快適な居住空間と環境のなか、洗練されたスタッフたちにもてなされ、世界を旅できるのだ。
もう一つは、そのプログラムに秘められた「冒険心」。これまでは冒険家のみがたどり着けたような秘境・辺境にも、優雅な客船でたどり着き、圧倒的な大自然や道の文化に触れることができる。ありきたりの旅では味わえない感動を提供しているのだ。
From Faust A.G. Channel on [YouTube]
――現在、世界的に不況の最中にありながら、クルーズでの旅というのは、旅行業界の成長分野として知られています。シルバーシー・クルーズはその中でも特に多くの方々からの熱い支持を得ていらっしゃいます。その理由は何だと思われますか。
やはり、ユニークなものに常に挑戦していく心を持っているからでしょう。富裕層の方々にとって、旅は決して特別なものではありません。現代はお金を払えば、世界中のどこへ行くことだってできる。しかし、彼らが私たちシルバーシー・クルーズに求めているものは、ただ「どこかへ移動する」だけの旅ではない。もっと「特別」なものを求めていらっしゃるのです。つまり私たちにとってのビジネス上のライバルは、いわゆる航空会社や旅行会社ではなく、むしろ、ラグジュアリーな時計やファッション、高級車など、それそのものがステイタスとなりえるようなトップブランドこそがライバルだと思っています。そして、そうしたお客様が求めていらっしゃるものは最高のホスピタリティはもちろんのこと、「新しい体験」であり、「冒険」なのだと思います。
――「冒険」を感じるツアーとは、例えばどのようなツアーでしょうか。
最も人気が高いツアーは、北極や南極へ向かうクルーズですね。北極ではホッキョクグマを間近に見ることができるなど、日常から大きくかけ離れた体験の連続です。その他にも、チリのフィヨルドへの旅や、アマゾン川を700km下るクルージングなど、さまざまな冒険を用意しています。またこの度、ガラパゴスの旅行代理店と探検船の買収に成功しました。2013年の秋には、シルバーシーのウルトララグジュアリー船で、あの神秘の島であるガラパゴス諸島へ向かうクルージングを楽しむことができます。7日間、島の中にある国立公園を探検し、ガラパゴスゾウガメや、ダーウィンフィンチなどの希少動物たちを間近に見ることができます。ウェットスーツも提供し、海も存分に楽しんでいただくつもりです。かつて、冒険家たちが向かった場所へ、スタイリッシュで快適な環境のラグジュアリーな客船で旅をする。スタッフたちが実際にその土地に出向き、吟味したツアーですから、貴重な体験になることを確信しています。
――なるほど、ガラパゴス諸島でのクルーズとは、なかなか体験できない豪華な旅になりそうですね。こうしたシルバーシーのプランには、ファンもたくさんいらっしゃることでしょう。
私たちのお客様のおよそ65%はリピーター。「また来たい」と思っていただいているというのは、本当に嬉しいことです。同じ船で旅をする世界中の方々と交流を深めるのもまた、大きな魅力だと思います。みなさんが帰る時に笑顔になってほしいと願い、おもてなしをさせていただいています。
――チャリティにも熱心に取り組まれているとうかがいました。
私たちの旅は、自然豊かなエリアに足を踏み入れます。だからこそ、常に自然への尊敬を忘れることはありません。また、現地の方々の暮らしにも貢献しています。西アフリカでは、学校教育やヘルスケアについて、当社から支援活動を行っています。
――ご自身はどんな旅を楽しんでいらっしゃいますか。
私はスキーが大好きなので、スキーができる冬山に出かけることはよくあります。それとは別に、先日はブータンに行ってきました。普段は都会に生活をしているので、人がいない場所に出かけてみたいと思ったのです。実際に出かけてみたところ、素晴らしい。環境を楽しみ、文化を楽しむことができました。残念ながら私はまだ南極に行ったことがないので、今度はぜひ、挑戦してみたいですね。
――ビジネスに生き生きと取り組んでおられますが、そのモチベーションの源は何で しょうか。
この仕事には「夢」があります。多くの人々にとって見知らぬ土地への冒険に誘うこ とは、夢を創造することだと信じています。
だからこそ、情熱を持って取り組むことができるし、それが私の幸せでもあるので す。
私の幸せが、シルバー・シー・クルーズを愛して下さるみなさまの幸せに繋がってい くと信じることが、モチベーションに繋がっています。
スティーブ・オデル
Steve Odell
シルバーシー・クルーズ ヨーロッパ、アジア・パシフィック社長
1998年にヨーロッパ、アフリカ、中東地区担当のセールス&マーケティングのバイスプレジデントとしてシルバーシー・クルーズに参加。以後、アジア・パシフィック地区の代表としてシドニーにオフィスを開設するなど、積極的にアジア市場を開拓。今年3月に現職に就く。ラグジュアリートラベル、クルーズ業界において幅広い経験を積むと共に、ラグジュアリークルーズの分野において、シルバーシーの成長に大きく貢献してきた。
シルバーシー・クルーズ公式サイト
http://www.silversea.jp/
Text:Sayako Nagai Photos:Kiyoshi Tsuzuki(Interview) 2012/10/25
PEOPLE
-
より人生を前向きに生きるために
40代からのレーシック&老眼治療最前線
冨田...
2013/12/06 -
医食同源の極み! 西太后のアンチエイジング料理に迫る
厲 愛茵 厲家菜 オーナ...
2013/08/13 -
シャンパーニュの革命児
アルマン・ド・ブリニャック&キャティアの飽くなき探求心...
2012/12/20 -
人々にかつてない体験を―
夢を創造するシルバーシークルーズ
スティーブ・オデ...
2012/10/25 -
テタンジェファミリーのミッションと美学
ピエール・エマニュエル・テタンジェ シ...
2012/09/27 -
海を感じるサウンドを創り続けて
キマグレン KUREI & ISEKI
2012/08/23 -
友情と愛情を分かち合うとき
ポール・ポンタリエ シャトー・マルゴー総支配人兼最...
2011/12/15 -
パラドックスの世界
ヴァンサン・シャプロン ドンペリニヨン醸造者
2011/12/08 -
時を越えて愛されるウィスキー
ブレンドは化学を越えた芸術
ジム・ビバレッジ ...
2011/12/01 -
最も冒険が似合うシャンパン
G.H.マムの絶えざる挑戦と魅力
ディディエ・マ...
2011/10/27 -
ウィスキーに携わり続けて20年
歴史と伝統を纏うボトルの新しき創造
ジョナサ...
2011/09/29 -
メイド・イン・フランスが誇る
緻密で美しい時計は、何が「画期的」なのか?
デ...
2011/09/15 -
究極のホスピタリティを知る男が知る
“薔薇の香りを楽しむひととき&...
2011/08/18 -
美しい佇まいに古典的な時計機構
トゥールビヨンの心臓を持つドレスウォッチ
ミ...
2011/08/18 -
直感から作り出される
ユニークな機能とシンプルな発想の時計
ジュリアーノ・マ...
2011/07/28 -
驚きのファインアート?それとも砂時計?
時を忘れさせる素晴らしきユニークピース...
2011/07/21 -
英国靴「チーニー」の社長に聞く
最新「靴ビジネス」事情
ウィリアム・チャーチ...
2011/07/07 -
温泉旅館とは伝統文化を継承する場なのです
瀧多賀男 水明館3代目代表...
2011/06/16 -
偉大なる父から受け継いだ「芸」の真髄
中村梅玉(歌舞伎役者四代目)
2011/04/07 -
それは、約20年間の時計作りの集大成です。
クリストフ・クラーレ 「クリストフ...
2011/02/17 -
クラシックにして、モダン&ゴージャス!
全米のセレブに人気絶大のシャンパーニュ...
2010/12/22 -
ダンスのような往年のハンドル裁き、健在。
ジャン・ラニョッティラリードライバー
2010/11/25 -
アイディアとは努力なしでは得られないものです。
アンリ・セドゥパロット社創業者...
2010/10/21 -
レストラン創りこそが趣味の集大成
株式会社スティルフーズ 代表取締役
Sti...
2010/10/14 -
時計もクルマも、「本物を知っている」人にこそ
リシャール・ミル「リシャール・ミ...
2010/09/30 -
時計とは無限に広がる夢
ピエール・クックジャン「ドゥラクール」オーナー
2010/09/09 -
伝統とモダンをミックスさせた
クラシック回帰ムーヴメントの先駆者
リチャード...
2010/05/27 -
ブルネロ クチネリ成功の秘密
それは人間性の回復と、真摯に生きる勇気
ブ...
2010/03/04 -
フランス人の技術革新がもたらした
ハイクオリティ・プロダクトの靴
エリッ...
2009/11/26