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究極のホスピタリティを知る男が知る
“薔薇の香りを楽しむひととき”とは
ジャン-ジャック・レイベル インターコンチネンタル香港 総支配人兼社長

アジア有数の大都市である香港。この地にインターコンチネンタルホテル香港がオープンしたのは、今から10年前の2001年のこと。最先端の施設を備えたスタイリッシュでコンテンポラリーな感覚に溢れたホテルは、今なお訪れる人を魅了してやみません。その総支配人兼社長であるジャン‐ジャック・レイベル氏は21年にわたり、インターコンチネンタルホテルを支えてきた一流のホテルマン。世界各地をめぐり、さまざまな国の文化に触れ、多くの人々をもてなしてきたレイベル氏は、究極のホスピタリティを実現しているファウストな一人です。

――レイベルさんは、香港に来られる以前、ワシントンDCにあるウィラードインターコンチネンタルにいらっしゃいました。そこではコンデナスト社『トラベラー』誌において、読者投票でワシントンDCのトップホテルという評価を得ておられます。こうしてお客様から満足をいただく理由は何だと思われますか?
何よりもスタッフが誇りを持って働いているからでしょう。お客様に満足いただくためには、スタッフが心を込めておもてなしをすることが大切です。ホテルの仕事というのは本当に大変です。昼夜を問わず、仕事は絶え間なくあります。スタッフによってはみんなが寝静まった深夜に働く者もいます。そうした人たちもみな、誇りを持って働ける環境があれば、自ずと最高のおもてなしができるようになるのです。

アジアトップの水準を誇る2階建てプレジデンシャルスイート。200㎡を越えるテラスは圧巻。

――その環境づくりにおいて特に心がけていらっしゃることはありますか?
これまで、フランス、イギリス、アメリカ、香港とさまざまな国と地域で仕事をしてきました。そこではスタッフたちの育ってきた文化が違います。ですから一様に「こうすればいい」というマニュアルはありません。それぞれの国に合わせて環境を作り上げていくのです。例えば、私の母国であるフランスは、自分たちの歴史と文化に誇りを持っています。その思いを尊重し、スタッフたちにあたらなければいけません。



一方、アメリカは何よりも実績重視。すぐに結果が出なければいけないし、スタッフ同士で競い合うことも彼らのパワーになります。そして現在の香港では、スタッフ同士の関係がWin-Winになるようにすることが大切です。だからアメリカ流に「どうして結果が出ないのか」なんて問い詰めたら、彼らは満足して働くことはできないでしょう。

――そうした文化の違いを、どのようにして学んでいかれるのですか?
例えば香港でもそうですが、まずは自分がこれまで培ってきた流儀を押し付けないことです。そして、真っさらな気持ちで彼らの声に耳を傾けます。何を考え、何を大切にしているのかを、スポンジのように吸い込んでいくのです。3か月くらいそうしてスタッフたちと付き合っていると、彼らが誇りを持って働くために何が必要なのかが見えてくるのです。

――インターコンチネンタルホテルでは、さまざまな貢献活動もやっていらっしゃいますね?
ええ。私が始めたもので、現在では恒例イベントになっているのが、インターコンチネンタルボールです。これは、ガンやエイズなど難病に苦しむ子供たちに、マドンナやマイケル・ジョーダンなどのスーパースターと出会うために募金を募り、アメフトの試合を開催したものです。第一回から100万ドルもの資金を集め、今では恒例行事として続いています。現在の香港でも、孤児院の子供たちを訪ねてクリスマスパーティを催したり、彼らの自立のためにホテルマンとしての教育を行ったりしています。また、精神疾患やうつ病などのために社会復帰が困難になってしまった人々の支援も行っています。

――お忙しいと思うのですが、同時にとても楽しんでいらっしゃる様子がうかがえます。その秘訣は何でしょう?
仕事で幸せになるためには、プライベートでも幸せであることが大切です。健康や家族を犠牲にして仕事をしている人たちは、どこか悲しい。人と自分を比べて嫉妬したり、奢ったりしているのは、ライフバランスがとれていないからでしょう。私も「こうしたらもっと稼げるし大きなビジネスになるよ」などとアドバイスを受けることがありますが、私にとってはそれは意味がないと思えば断ります。「私は私」。それぞれの成功があり、それぞれの幸せがあるということを忘れてはいけません。

――ファウストの会員に向けて一言いただけますか?
私が大好きなことわざの一つに「Don’t forget to Stop and Smell Roses……立ち止まり、薔薇の香りを楽しむことを忘れてはいけない」というものがあります。人生にはライフバランスが大切です。人生は美しい。けれどとても短いものです。お金を稼ぐための仕事はとても大切ですが、それだけではいけません。仕事、仕事、と仕事に追われていると、視野はどんどん狭くなり、大切なものを見失ってしまいます。しかし、そんな日々の中でふと立ち止まり、薔薇の香りを楽しむ。そして周囲の風景を見渡す。すると周りにはすばらしいことがいくつもあることに気づくでしょう。そうすれば視野は広がり、良い判断ができるようになる。そんな私の良き人生が、お客様への良きおもてなしに繋がっていると信じています。ぜひ、インターコンチネンタル香港にいらして、薔薇の香りを楽しむひとときを。

 

Jean-Jacques Reibel
インターコンチネンタルホテル香港 総支配人兼社長
フランスのシャンパーニュ地方の出身で、インターコンチネンタル勤続21年の古参。パリ、ロンドン、ボストン、ワシントン、マイアミ、そして香港と欧米、アジアで総支配人を務めている。ワシントンDCのウィラードコンチネンタルホテルを「ワシントンポスト」などで賞を受賞するなど、トップクラスのホテルに育て上げた実績もある。

 

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