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あの“空を飛ぶ男”に新たな伝説、
米・グランドキャニオン上空飛行に成功！！

およそ7000万年の地殻変動から始まり、遥かなる時を超えて作り出された雄大なパノラマ。先住民フアラパイ族が代々守り続けてきた聖なる土地。このグランドキャニオンの上空を「鳥のように飛びたい」という大いなる夢と、折りたたみ式ジェットウィングを引っさげた男が、やがてこの地にやってくることなど、誰が想像しただろうか。
「鳥のように翼を広げ、空を飛びたい」そんな人類の永遠の夢を、現代テクノロジーを以て実現するジェットマンことスイスの冒険家イヴ・ロッシー氏が、5月9日、ジェットエンジン搭載の翼を背負ってグランドキャニオン上空飛行に成功した。ヘリコプターで地上約2,400m地点からダイブし、最高時速約300kmという想像を絶するスピードで約8分もの間、単独飛行を堪能した。
「アメリカでの初飛行は、冒険人生の中でも最も思い出に残る経験となった。グランドキャニオンの美しい自然と、長年の夢を叶えてくれたフアラパイ族のみなさんに感謝したい」。プレスリリースを通して、ロッシー氏はこう語っている。
この偉大なる挑戦、実は6日に遂行される予定で、地元の新聞社はじめ多くの報道陣がその歴史的瞬間を待ち望んだ。しかし、連邦航空局からの承認に時間がかかり、十分な練習ができなかったため、この日のフライトを断念。その後準備が整った9日、早朝6時15分に決行されたのだ。
スイスに戻ったロッシー氏はSkypeによるFaust A.G.独占インタビューで、その時の状況を明かしてくれた。
「グランドキャニオンのフライトは、これまでの挑戦の中でも最も難しいもののひとつだった。なぜならグランドキャニオン上空の独特の気流のためだ。早朝に飛ぶ必要があった。午前10時以降は、その気流のため飛ぶことができないという状況だった。しかし、当日までに十分な準備ができていたので、不安は全くなかった。早く飛びたくて仕方なかったよ」。
これまで、アルプス山脈、ドーバー海峡横断飛行などを成功させてきたロッシー氏。次なる目標を聞くと、「次の準備は着々と進んでいる。7月には発表する予定だ。いつか日本の富士山も飛んでみたい。先日起きた東日本大地震の甚大な被害に私も心を痛めている。きっといつか日本の皆さんを元気づけることのできるフライトを約束するよ」。
母なる大地と先住民への深い敬意を込めた、アメリカ初フライトを終えたロッシー氏だが、その目はすでに次の挑戦を見据えている。Faust A.G.は、引き続き彼の壮大な冒険人生を追っていきたい――。

われらがJet Manのグランドキャニオンでのフライトをムービーで！
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Ives Rossy(イヴ・ロッシー)
冒険家“ジェットマン”／1959年8月27日スイス生まれ。20～28歳まで、空軍にてハンター、タイガーF-5、ミラージュⅢなどのパイロット。88年からスイス・インターナショナルエアラインズにて、ボーイング747やDC-7の副操縦士、エアバスの機長を務め、現在は自ら開発したジェットウィングを背負い飛行する“ジェットマン”として冒険のため３年間の休職中。ウィングは幅約2.5m、ジェットエンジン４基を搭載し、最高時速300km、飛行時間は最長10分（積載燃料の都合。2008年当時）で、3000m上空を飛行可能。折り畳み式。2004年、ジェットウィングでの初飛行に世界初で成功。08年9月26日、ドーバー海峡横断飛行に世界初成功。フランス側から上空2500mまでプロペラ機で上昇、空中へダイブし、35kmの海峡を約10分で横断しパラシュートで着地した。この冒険はヨーロッパを始め世界から注目を集め、「ガーディアン」、「タイム」紙などの新聞の一面を飾る。09年11月、ジブラルタル海峡（モロッコ～スペイン間）の横断飛行に挑戦するも、雲中で乱気流に遭い断念、パラシュートで海に不時着し、失敗に終る。2011年5月9日、グランドキャニオン上空飛行に成功。ヘリコプターで地上約2,400m地点からダイブし、最高時速約300kmで約８分間飛行した。

Jet Man Yves Rossy公式ホームページ
http://www.jetman.com/?page_id=24

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ファウストA.G.アワード受賞の模様はコチラ
http://www.faust-ag.jp/quest/quest014/

Text:Etsuko Soeda
2011/05/26