ロスチャイルド家御曹司がペットボトルに託す
太平洋横断への挑戦、ついに完結!
我がファウストA.G.で、これまで2度にわたり取り上げてきた、ある冒険家のあくなき挑戦。130日の航海を終え、無事ゴールに到着しました。その冒険家の名は、環境問題専門家であり、そしてかのロスチャイルド家の御曹司として知られる、デヴィッド・デ・ロスチャイルド。果たして、その冒険とはいったいどんなものだったのでしょう?
サンフランシスコより前代未聞の航海が始まったのは、今年の3月20日のことでした。デ・ロスチャイルドとそのクルーらがこの冒険に身をゆだねたのは「プラスティキ号」という12トンの双胴船です。この船、じつは12500本もの廃棄処分されたプラスチックボトルを船体として再利用。環境分野において長年問題意識を持ち続けるデ・ロスチャイルドは、これまでにない発想で廃棄処分される物質の使い道を模索してきました。つまり、廃棄物が資源となりうるというアイディアの新たな提案を実践してみせたのが今回のプラスティキ号でもあったのです。
それだけに船体にはさまざま知恵と技術が詰め込まれたようです。例えば、これまでペットボトルの素材では注目されることがなかったハイテク繊維を船体上部に使用。また、ソーラーパネル、風力タービン、自転車を利用した発電機も搭載し、長い航路の運行を手助けしました。
環境を守るパイオニアたちを
サポートし続けた腕時計
「私たちは、デヴィッド・デ・ロスチャイルド氏とプラスティキ号のチーム、そしてアドべチャー・エコロジーをたいへん誇りに思います。彼と彼のクルーたちが、この冒険に満ちた航海に、これほどうまく取り組めたことをたいへんうれしく思います」。そう語るのは、IWCシャフハウゼンのCEO、ジョージ・カーン。これまでIWCシャフハウゼンは、環境にやさしいカーボンニュートラル企業を目指し、デ・ロスチャイルドのオフィシャルパートナーとしてプラスティキ号を応援してきました。航海中のクルーは、肌身離さずIWCの腕時計「インジュニア・オートマティック・ミッション・アース“アドべチャー・エコロジー”」を装着。後日、この腕時計のなかで唯一のプラチナモデルが、オークション(http://www.theplastiki.com/)に掛けられ、収益金はスカルプト・ザ・フューチャー財団に寄付されるとのこと。そしてカーンは、デ・ロスチャイルドへの賞賛をこう続けます。
「デヴィッド(デ・ロスチャイルド)は、手つかずの環境を守るパイオニアであり、情熱的な活動家です。プラスティキ号の冒険は他に例がなく、非常に複雑なもの。克服すべき課題が無数にありましたが、デヴィッドは決して諦めませんでした。彼は私たちの社会にとっての手本です」
プラスティキ号が、サンフランシスコからシドニーへ航海している間にも、アメリカ国内だけでプラスチックボトルは20億本も廃棄されたそうです。国連環境計画(UNEP)が実施した調査によると、そのうち80%が家庭から出されたもので、重さにして2700万トンのプラスチックがゴミとして環境汚染の原因になったと言われています。
「日々の生活を少し変え、賢く考え直すだけで75%のプラスチックごみを減らすことができる」と強い信念を語るデ・ロスチャイルド。彼にとって、使い捨てのプラスチックを拒否し、ゴミを減らし、再利用し、ゴミのことをもう一度考え直すこと、その意識を地球レベルまで呼び覚まし広げていくこと、それこそが自らに課す目標なのだと語ります。そして彼が運営する機関「アドベンチャー・エコロジー」とともに、廃棄物問題の撲滅を目指していくとも。
130日間の航海を経て今年の7月26日にシドニー港に到着したデヴィッド・デ・ロスチャイルドと彼のクルーたち。彼らが行動で示した固く揺るぎない信念は、国境を超え、多くの人々に感動を与えました。そして今後も、枠にとらわれない行動力が、さらなる冒険のステージへと彼を駆り立てることでしょう。
インジュニア・オートマティック・ミッション・アース
“アドヴェンチャー・エコロジー”
プラスティキ号の公式パートナーを務めるIWCの「インヂュニア・オートマチック・ミッション・アース“アドベンチャー・エコロジー”」Ref.IW323603。ケース裏蓋にPLASTIKIのシンボル マークが刻印されている。876,750円(世界限定1000本)、44時間パワーリザーブ、自動巻き、12気圧防水、SSケース
プラスティキ号
http://www.theplastiki.com/
IWC
Tel.03-3288-6359
http://www.jp.iwc.com/
Potos:Luca Babini
Text:Faust.A.G.
2010/11/25
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