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あのタイタニックを腕に纏う!
錆びたベゼルが伝説を物語る

北大西洋の海底3840mにその姿を留め、静かに眠るタイタニック。
1912年4月14日の深夜、当時世界最大の豪華客船が処女航海の途中、北大西洋上で氷山に接触して沈没し1500人もの犠牲者を出した、あまりにも有名な海難事故。生存者の中には日本人が一人おり、その人がミュージシャン細野晴臣さんの祖父・細野正文さんだったというエピソードも知られています。
沈没したタイタニックは、1985年に海洋考古学者ボブ・バラード率いるアメリカ海軍の調査団が発見。2004年には損傷状態を調査した結果、引き揚げ不可能と判断され、タイタニックを保存対象に指定した「タイタニック国際保護条約」が結ばれました。タイタニックは永遠に引き揚げられないのです。
この調査の際、海に眠る船体が本当にタイタニックかどうかを調べるために船体の一部を回収しましたが、これを調査後に買い取り、ベゼルに使用した時計が発表されました。それがロマン・ジェロームの「TITANIC-DNAシリーズ」です。
ロマン・ジェロームは2004年に設立されたスイス・ジュネーブの時計会社で、CEOのイバン・アルパが掲げる“DNA of Famous Legends” コンセプトの第1弾として「TITANIC-DNAシリーズ」を発表、この春より日本に上陸し、伊勢丹新宿店メンズ館で発売されています。

トップ写真:1912年4月10日、イギリス・サウサンプトン港からニューヨークを目指して華々しく出港したタイタニック。

タイタニックの碇をモチーフにした針、9時位置にスモールセコンドがあり、文字盤の数字はタイタニックの スチームエンジンのメーターを連想させる。裏蓋にはタイタニックのエングレービングが施され、船首部分にシリアルナンバー入り。パワーリザーブ42時間、 5気圧防水。価格は18KPG+チタンケースが2,940,000円(写真左)、SS+チタンケースが1,575,000(写真右)。

タイタニックから回収した石炭を職人の手によって手作業で丁寧に細かく砕く。気化させた石炭を文字盤に吹き付ける作業

このシリーズの特徴はなんといってもベゼルにタイタニックの腐食した船体の一部が使用されていること。腐食は時計の大敵ですが、職人の手によりこれ以上の 腐食を防ぐことが可能になり、船体の一部とタイタニックを建造した北アイルランド・ベルファストのハーランド・アンド・ウルフ社から提供された錆びたス ティールを融合させて実現。実際の作業も同造船所で行われました。また、濃黒色の文字盤にも、タイタニックから回収された石炭が含まれています。シリーズ には、18KPGとチタンのサテン仕上げ、ブラックPVD加工を施したチタンとステンレススティールのケースがありますが、入手できた量が希少だけに、合 計で世界限定2012本。後にも先にもこれしか製作できないという貴重な逸品です。
CEOのイバン・アルパ氏は、この時計について次のように語っています。
「私たちのような歴史の浅いメーカーは『時計製作の歴史』や『伝統』といったことは謳えません。そこから思いついたのが『歴史を用いる』という逆転の発想です」
海底に眠るタイタニックは腐食が激しく、2100年頃には崩壊し消滅してしまうだろうといわれています。そんなタイタニックにオーマージュを捧げ、錆びたベゼルに伝説が刻みこむ「TITANIC-DNA」。腕に残された伝説は、海に沈んだ船の代わりに生き続けるのです。

Data

共栄産業

http://www.kyoeico.com/
問/TEL.03-3944-1333

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