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“かつて馬と人間はともに日常を生きていた”
『ジンガロ』でその証を目の当たりにする
もし地球上に馬が存在しなかったら、私たち人間はどうなっていたでしょうか?
民族の移動と分布、農耕・産業の発達、文化の形成、宗教の伝播……どれをとっても、今ある形を成していなかったでしょう。古代から近代に至るまで、馬と人間は強い信頼関係のもとに共生し、多様な歴史と文明を生み出してきました。カエサルのローマ帝国や、中世ヨーロッパ騎士たちの遠征、ナポレオンのフランス統治も、馬という信頼性の高い相棒の力がなかったら、歴史はまた違ったものになっていたことでしょう。
現在は、飛行機や自動車、電子機器などの機械が発明され、特に都市部では馬の需要が激減。紀元前から続いていた、馬とともにあった人間の生活スタイルは変貌を遂げました。ところが、馬と人間が心を通わせることがあまり見られなくなった今、その長い歴史や関係性について、深く考えさせてくれる“芸術”が注目を集めるようになりました。それが騎馬スペクタクル『ジンガロ』です。2009年1月から3月まで、日本では2度目の公演が実施されます。
人間と馬の歴史の証人でもあるエルメスの“共演”
下右:『ジンガロ』主宰のバルタバス氏。出生本名不明、現代のシャーマンと言われ、1984年に『ジンガロ』を旗揚げ。制作、演出、音楽監督、調教師、演出など全てをこなします。
『ジンガロ』とは、馬と人間が生み出す他に類を見ないパフォーミングアート。主宰者であるバルタバス氏が、馬の調教、制作、演出、音楽監督、出演などすべ てを兼任し、1984年からヨーロッパをはじめ世界で大きな評価を得ている舞台です。中世に端を発すヨーロッパの伝統的馬術のバルタバス版アレンジと、地 球上の様々な文化・芸術とを融合させた、馬と旗手たちの織り成す一糸乱れぬパフォーマンスはまさに圧巻。馬と人間が、ここまで強固な信頼関係を築くことが できるとは——と、古の人々も驚きを隠せないに違いありません。
「馬の気持ちに耳を傾け、馬の可能性を一緒に探る時、旗手と馬の心は通い合い、どちらが主役でもない相互的な関係が生まれ、観客はもちろん、馬や旗手に とっても誠に感動的な瞬間が出現します」と、バルタバス氏。“人が馬を乗りこなす”ということではなく、“両者は深い絆で結ばれることができる”というこ との表現にチャレンジしているのです。
この騎馬スペクタクルをサポートするのは、エルメス社。『ジンガロ』の旗手が使用する鞍も、同社会長のジャン・ルイ・デュマがバルタバスのために特別にあ つらえたものです。19世紀初頭に誕生したエルメス社の使命は、騎手の要求を正確に伝えて馬をより機敏に動かすことでした。そして馬に対する愛情、伝統へ の情熱、職人芸へのこだわり、唯一無二の存在でいたいという想いは、『ジンガロ』とエルメス社の双方に共通する概念。馬具から垣間見ることができる、人間 と馬との関係も、公演で着目すべき点でしょう。
馬は人間の心を読むといいます。愛馬マレンゴに跨っているナポレオンの肖像画を人々が愛したのは、ナポレオンがマレンゴを制しているのではなく、実は両者 は強い信頼関係で結ばれているように見えるからでしょう。どちらかが高圧的だったとしたら、その信頼は崩れてしまいます。長い歴史とともに培われてきた馬 と人の繊細で線密な関係性を、『ジンガロ』でいま一度考えてみてはいかがでしょうか。
騎馬スペクタクル ZINGARO
演目:『バトゥータ』
2009年1月24日(土)〜3月26日(木)
木場公演内ジンガロ特設シアター
http://www.zingaro.jp/
Photos:Antoine Poupel
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