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日本のワインシーンを隆盛へ導く
英国伝統のワイン商が上陸

“ベリー・ブラザーズ＆ラッド”と聞いてピンときた方、グルメな事情通とお見受けいたします。

それは1698年創業、英国最古のワイン・スピリッツ商であり、ウィンストン・チャーチルやルイ・ナポレオン（後のナポレオン3世）などの歴史的人物も顧客リストにその名を連ねている老舗中の老舗。創業当時から、ロンドンはセント・ジェームス通り（St. James’s Street）に店舗を構え、地下には300年前から守られ続ける巨大なワインセラーを有することでも知られています。1838年から2年間、英国に亡命中だったルイ･ナポレオンは、ベリー・ブラザーズ＆ラッド（以下BB&R社）のワインセラーとワインセレクションを非常に気に入り、セラーの中で頻繁にワインを飲んでいたという逸話も残っています。

現在では、英王室御用達のワイン・スピリッツ商として、エリザベス女王からも確固とした信頼を受けているBB&R社。そんな由緒ある老舗の日本支社が、11月、東京・丸の内にオープンしました。英国大使館公邸で開かれたオープニングレセプションには、このために来日した会長のサイモン・ベリー氏とダイレクターのランス・ジェファーソン氏が喜びのスピーチを披露。また、BB&R社でチーフ・ワインコンサルタントとして活躍していた松岡聖子さんが、このたび日本支社のジェネラルマネージャーとして就任されたことが発表されました。

これまでBB&R社は日本市場に対し、個人顧客を中心に、ロンドンから販売するスタイルを取っていました。ところが、ここ10年間連続で日本市場が右肩上がりだったことから、ビジネスのポテンシャルを確信し、日本支社のオープンに踏み切ったそうです。海外支店は、すでに香港とアイルランドに展開されているものの、英国植民地外の地域では日本が初出店となります。

しかし、丸の内の支社に行けば、ズラリとワインやウィスキーが並んでいるわけではないのでご注意を。購入方法はロンドンの本店と同じく、膨大なリストを見ながら世界中のワインとスピリッツに精通したスタッフのアドバイスのもとで自分の好みに合ったものを選ぶか、インターネットや電話で注文するスタイル。 1,000円くらいのリーズナブルなワインからシングルモルトウィスキー、160万円以上もする超レアなビンテージワインまで、4,000種類以上のストックがあるので、じっくり時間をかけてお気に入りの1本を探し出すのも粋なものです。今後は、小売店の展開やテイスティングイベント、ワイン投資のサポートなども計画されています。

フランスはワインを作る場所、英国はワインを評価する場所として世界に認知されてきました。現に、ボルドーワインは英国のワイン商が目をつけ、その発展に貢献したといわれるほどです。長い歴史と、本物を見極める確かな知識・経験を持つBB&R社が日本に進出したということは、日本人がこれまで以上に素晴らしいワインを味わうことができるということに違いありません。

今回の日本支社オープンに際して、同社からのお薦めは社名を冠したオリジナルラベル。今回はレセプションパーティで振舞われた４本をご紹介。