速報:南アフリカの大地4,632kmを見事走破
アドベンチャークラスで優勝!
Sasol Solar Challenge South Africa 2012
プロラリードライバー篠塚建次郎が結成したソーラーカーチーム篠塚が、チームとして初の国際大会「サソル・ソーラーチャレンジ・サウスアフリカ2012」 (9月18日~28日まで開催)に参戦。約4,632kmという距離を走破し、アドベンチャークラスで優勝を果たした。
今大会の最大の特徴は、走行距離によって順位を争うというもの。ソーラーパワーの蓄電量や天候といった様々な条件を考慮しながら、いかに長い距離を走り切ることができるかが勝負の鍵となる。11日間の日程で、首都プレトリアをスタートし、反時計回りにコースを進みながら、ケープタウンを通過し、一路東へ。途中ポートエリザベス、イーストロンドンなどを経て再びプレトリアを目指す。1日に平均400~500kmという距離を走行するという過酷なレースだ。参加チームは14チームで、地元の大学チームなどのほか、日本からはチーム篠塚と東海大学の2チームが出場した。
チーム篠塚はアドベンチャークラス、東海大学チームはマシンの仕様が異なるチャレンジクラスにそれぞれ参戦。東海大学も同じくクラス優勝を果たし、2クラスを日本のチームが制覇。ソーラーカーにおける日本の技術力の高さを世界に証明した。
難コースを緻密な戦略でクリア
チーム篠塚は、11日間の全日程で規定の走行距離を走破することに見事成功した。しかしそれは簡単な道のりではなかった。まず予想以上に道路のコンディションが悪かったこと。さらに国際大会の中でも特に規定走行距離が長く、険しい山岳路だけでなく、交通量や通行人の多い街中など難易度の高いコースに悩まされた。チームは1日の規定距離を走り切ることを念頭に、ソーラーパワーを有効に使いながら走るエコドライブを敢行。当日朝の充電時間の設定、天候やコースの高低差を考慮しながら走行中の時速調整をするなど、綿密に戦略を立てながら競技に臨んだ。Day7のオウツフルンーイーストロンドン間では、大会中最長の658kmの規定距離 も順調に走破したが、Day8のイーストロンドンーブルームフォンテイン間では、未舗装の砂利道が続くスミスフィールドで、減速運転を強いられたほか、フィニッシュラインまで31kmというところで警察に走行を中止するよう迫られるなどのハプニングがあった(大会運営側は警察にソーラーカーの一般道走行許可願を提出しており、走行中止を命じられた理由は不明)。しかし、これに関しては大会側が不手際を認め、最終日の朝に31kmをリカバーし、その後ゴール地点のプレトリアまでの229kmを走行した。
最終日のプレトリアは天候が崩れるとの予報を受け、一時はソーラーカーをトラックに積み込み、目的地を目指すことも覚悟した(トラックに載せての走行は、距離は加算されない)。しかし午後から晴れ間が見え始め、天に後押しされながらひたすら走行。28日、15:30チーム篠塚はプレトリアのフィニッシュラインに到着し、ついに過酷なレースを制した。
今大会、チームはアドベンチャークラス優勝、クラス内での総合の最長距離記録樹立、さらに特別賞としてベストプライベートチーム賞を受賞。少人数のチーム構成ながら、個々の豊富な経験と技術力の高さ、そして結束力を見せつける形となった。チームはこの後、ギネスのソーラーカー世界最速記録に挑戦する。
ソーラーカーチーム篠塚公式サイト
http://www.solar-shinozuka.jp/
サソル・ソーラーチャレンジ・サウスアフリカ 公式サイト
http://www.solarchallenge.org.za/
Text&Photos:Faust A.G.
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