Faust A.G. Awards 2012
地球最高の冒険者〈ファウスト〉たちを讃えよ!
テレビ、新聞、雑誌など、多くの報道関係者が集まり開かれたファウストA.G.アワード2012授賞式は、まず司会進行役より当アワードの主旨説明が行われた後、主催者であるサイバードホールディングスの堀主知ロバートがあいさつ。「サイバードは15年前に設立され、未知の世界だったモバイルインターネットの業界を切り開いてきた会社。同じように『自分たちの人生は自分たちで切り開けるんだ』ということを証明してくれているのが、この方たちだと思う。この賞を通じて、冒険・挑戦・貢献に命をかけている人たちがいることをもっと知ってもらいたい」と述べた。
続いて、各賞受賞者の発表である。
2011年10月、谷口氏と平出氏のふたりは、西チベット最高峰のナムナニ峰(7,694m)において未踏の南面渓谷と氷河を踏査。氷雪壁を登攀して南峰に初登頂し、そこから本峰への初縦走に成功した。ナムナニ峰への登頂は1905年から挑まれていたものの、初登頂は1985年の日中合同隊まで待たなければならず、その後も登頂に成功した登山隊は数隊のみという難峰である。それにもかかわらず、両氏は一枚の写真を手掛かりに、現地での南面踏査により未踏のルートを見出し、アルパインクライム(岩や氷の壁を人力で登攀するスタイル)で登頂することに成功した。
両氏は2009年、インドのカメット峰(7,756m)を未踏の南東壁登攀に成功し、「第17回ビオレ・ド・オール(金のピッケル賞)」を日本人として初受賞(谷口氏は女性としての初受賞でもある)している。同賞は、登山界のアカデミー賞と称される最高権威の賞である。
平出氏のインタビューはコチラ
http://www.faust-ag.jp/interview/interview050.php
谷口氏のインタビューはコチラ
http://www.faust-ag.jp/interview/interview052.php
2011年1月20日、愛艇「グッピー」とともに、カリブ海にあるシント・マールテン島を始点とした世界一周の航海に挑戦。パナマ運河を抜け、南太平洋のガラパゴス諸島、オーストラリアなどを経てインド洋を抜け、アフリカ大陸南端の喜望峰を回り、2012年1月21日、見事にシント・マールテン島に戻り、1年をかけた約5万kmの航海を成し遂げた。このとき、デッカー氏は16歳4カ月。史上最年少での単独世界一周の航海だった。ただし、ギネス社は「最年少」への称賛が青少年やその親をより危険な行為へと駆り立てないよう、記録認定を行わなかった。
また、この航海に関しては、2009年、当時13歳で世界一周を宣言したデッカー氏に対し、オランダ児童裁判所が「若すぎる」ことを理由に航海の禁止を命じるという問題も起きている。約10カ月にもおよぶ裁判の末、装備向上や通信による義務教育を受けることなどを条件に、ようやく許可を得ての出航だった。
単独世界一周成功後のインタビューを掲載中。
http://www.faust-ag.jp/soul/adventure/soul105.php
日本経済新聞電子版「ファウスト魂」にてデッカー氏のインタビューを掲載中。
http://ps.nikkei.co.jp/faust/interview/vol010.html
2004年、パリ・ダカールラリーにバイクで参戦中、事故に巻き込まれて左足粉砕骨折の重傷を負い、日本で手術を受けるも後遺障害に見舞われる。これを機に、2007年からWHO承認「運動器の10年」キャンペーン(骨や関節など運動器の外傷医療の推進と、健康意識の啓蒙、および身体障害者支援)の国際親善大使を務める。
2012年は、その活動の第5弾である「障害者日本縦断駅伝 完結編」を実施。仙台~札幌~那覇の約3,000kmを108名でたすきをつなぎ、風間氏自らは電動アシスト自転車で隊長を務め、全行程を走破した。なお、同キャンペーンでは2007年にスクーターでユーラシア大陸横断に成功したのをはじめ、毎年世界各地で活動を展開。2010年春には、障害者127名によって2,300kmを走破する「日本縦断駅伝 前編」を行った。
日本経済新聞電子版「ファウスト魂」にて風間氏のインタビューを掲載中。
http://ps.nikkei.co.jp/faust/interview/vol007.html
1969年、「女だけでヒマラヤへ行こう」を合言葉に女子登攀クラブを結成。1970年、日本女子登山隊に参加し、アンナプルナⅢ峰(7,555m)の登頂に成功した(女性初、日本人初)。5年後の1975年には、エベレスト日本女子登山隊に副隊長兼登攀隊長として参加。最終アタック隊員を務め、5月16日、女性初となる世界最高峰エベレスト(8,848m)の登頂を成し遂げた。その後も、毎年のように国内外の山々を登り続け、1992年には女性初の7大陸最高峰登頂者となる。
現在も世界各国の最高峰登頂に挑み続け、その数は60カ国に達する一方で、震災復興支援の一環として、被災地の人々を招いての登山やハイキングなども定期的に行っている。広くその名を知られる、女性登山家の第一人者である。
受賞活動についてのインタビューはコチラ
http://www.faust-ag.jp/interview/interview049.php
一般社団法人 日本プロサッカー選手会はJリーグのクラブに所属する日本人選手(一部、外国人選手を含む)と海外のプロサッカークラブに所属する日本人選手を会員とする組織で、1996年Jリーグ選手協会として設立された(2010年に現在の名称に改称)。
選手の地位向上のほか、全国でのサッカークリニックやチャリティ活動にも積極的に取り組むJPFAは、東日本大震災にあたって復興支援のため、2011年、「クリスマス・チャリティサッカー」を企画。その活動資金の確保と寄付のため、様々な募金活動を展開し、総額37,468,156円のうち、約66%にあたる24,899,100円を「ジャストギビングジャパン」を通じて募った。2011年12月22日には被災3県8か所でサッカー教室を開催。翌23日にはユアテックスタジアム仙台にてチャリティマッチを行い、被災地から13,889人を無料観戦に招待した。なお、2012年12月26、27日にも同イベントの開催が決まっている。
受賞理由となった各氏の活動を紹介する映像によって、各賞受賞者が発表。取材カメラのシャッター音が響き渡るなか、ファウスト冒険家賞の谷口けい、平出和也両氏、ファウスト挑戦者賞のローラ・デッカー氏、ファウスト社会貢献活動賞の風間深志氏、ファウスト特別賞の田部井淳子氏、JustGiving特別賞の都倉賢氏(受賞団体であるJPFA日本プロサッカー選手会を代表して出席)が、順に登壇した。受賞のスピーチでは、それぞれが受賞に際しての感謝や驚きといった様々な思いを言葉で表わすとともに、今後の夢や目標についても熱く語った。
なお、各受賞者には、ファウスト・アドベンチャラーズ・ギルドより記念のトロフィーが、また副賞として、ファウスト各賞の受賞者にはリシュモン ジャパン株式会社 モンブランよりマイスターシュテュック クラシック万年筆が、JustGiving特別賞受賞者には漆器 山田平安堂の記念品が贈られた。
そして最後に、ファウスト大賞の発表。
歴代4人目の大賞には今年10月14日、成層圏からのフリーフォールに挑戦するという前代未聞のプロジェクト「レッドブル・ストラトス」に成功した、フェリックス・バウムガートナー氏が選ばれた。残念ながら、バウムガートナー氏本人の出席は都合によりかなわなかったが、会場では当アワードに向けたビデオメッセージが流された。
また、大賞の表彰には、バウムガートナー氏の代理としてレッドブル・ジャパン社長の内野正仁氏が出席。その場でバウムガードナー氏からの手紙が代読され、「レッドブル・ストラトスがファウスト大賞に選ばれたことに、心より感謝している。自分の限界と人類の限界への挑戦だったが、このプロジェクトは私ひとりで成し遂げたわけではない。残念ながら授賞式には出席できなかったが、いつの日か、日本のみなさまにお会いできるのを楽しみにしている」と伝えられた。
2012年、ファウスト・オブ・ザ・イヤーは
レッドブル・ストラトスのフェリックス・バウムガートナー!
アメリカ・ニューメキシコ州ロズウェルにて、今年10月14日(日本時間15日)、成層圏からのフリーフォール(スカイダイビング)プロジェクト、「レッドブル・ストラトス」を成功させた。このプロジェクトは、宇宙飛行士を思わせるスペーススーツを着用し、巨大ヘリウム気球に吊り下げられたカプセルに乗って上昇。2時間ほどの後、成層圏内の予定高度に達し、カプセルから飛び降りてフリーフォールするというもの。約50秒後には落下速度が音速を突破。4分19秒後にパラシュートを開き、無事着陸に成功した。
なおバウムガードナー氏は、このプロジェクトで以下の4つの世界新記録を樹立した。①人類初となる、動力なしで音速を超えるフリーフォール:時速1,342.8km=マッハ1.2(従来の記録は時速988km)。②最高高度からのフリーフォール:高度39,014m(同高度31,330m)。③最高高度の有人気球飛行:高度39,044m(同高度34,688m)。④フリーフォールにおける最長垂直落下距離:36,529m。
レッドブル・ストラトスの記事を掲載中。
http://www.faust-ag.jp/soul/challenge/soul126.php
最後に、ファウストA.G.アワード2012の特別審査員であり、受賞者へのプレゼンターも務めていただいた片山右京氏が登壇。「これだけ時代が加速して過ぎていくなかで、冒険の求められるハードルは高くなっている。クリエイティビティが求められたり、世の中の常識と戦ったりしなければならない。彼らがトライする冒険によって勇気をもらえていることに、お礼を言いたい」と総評を述べ、各受賞者への謝意という形で彼らの活動をあらためて称えた。
暗い話題ばかりが目立つ昨今、気のせいか、我々の行動指向は無意識のうちに保守的なものになりがちである。ある意味でやむを得ないことではあるが、しかし暗い話題に囲まれがちな時代だからこそ、彼らすなわちファウストたちの勇気が我々に力を与えてくれる。今年の受賞者もまた、生身の肉体で音速を体感したバウムガートナー氏を筆頭に、類まれな勇者たちばかりが顔を揃えた。
また、今年のファウストA.G.アワードは、4回目にして初めて女性の受賞者も誕生した。「冒険・挑戦・貢献」の精神の前に、性別は問題ではない。本アワードに とっても画期的であったと同時に、2013年以降、さらに女性の活躍を期待するという意味においても、意義深い授賞式だったと言えるのではないだろうか。
あらためて彼らの活動成果を称えるとともに、受賞者の方々へ大きな拍手を送りたい。
ファウストA.G.アワード2012
副賞について
ファウスト大賞、ファウスト冒険家賞、ファウスト挑戦者賞、ファウスト社会貢献活動賞、ファウスト特別賞受賞者には、リシュモン ジャパン株式会社 モンブランより、副賞として「マイスター シュテュック クラシック万年筆」が贈られた。
モンブランのマイスターシュテュックは、1924年に誕生したモンブランの筆記用具コレクション。ドイツ語でマスターピース(=傑作)を意味する「マイスターシュテュック」は、誕生から長い時を経てもその完成度は揺らぐことなく、人類の英知である文化や芸術活動を支えることを担い、自己表現のための究極のツールになっている。
問い合わせ:モンブラン銀座本店 03-5568-8881 http://www.mb-moments.jp/
サイバードグループ・プレゼンツ
ファウストA.G.アワード2012授賞式
日時:2012年12月5日(水)
会場:Theatre CYBIRD
協賛:
リシュモン ジャパン株式会社 モンブラン、漆器 山田平安堂
特別協力:
ジャスト・ギビング・ジャパン
主催:
Text:Masaki Asada
Photos:Kiyoshi Tsuzuki
Movie:Faust A.G./Plusmotion
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