Faust A.G. Awards 2013
地球最高の冒険者〈ファウスト〉たちを讃えよ!
今回もテレビ、新聞、雑誌など、多くの報道関係者が集まるなかで行われたファウストA.G.アワード2013授賞式。まず司会進行役よりファウストA.G.アワード創設の経緯、主旨の説明が行われ、続いてサイバードグループCEOの堀主知ロバートが登壇し、主催者あいさつを行った。
「世界を股にかけて活躍する人々、今年を代表する人々のすばらしい活動にエールを送りたい。我々の会社もベンチャーからスタートし、挑戦を大切にしてきた。地球上が挑戦する人であふれていたらと思う。誰もが夢を持ち、挑戦できる地球になればうれしい。そのためにも、ここにいる人々の偉業をひとりでも多くの人に届けたい」
堀は自らの経験と重ね合わせるように、本アワードの意義について述べるとともに、今回の受賞者以外にも称えるべき活躍をしている人が世界中にたくさんいることを伝えた。
受賞者の活動を紹介するVTRとともに、各賞の発表。すばらしい活動の数々に感嘆の声が漏れるなか、ファウスト冒険家賞のMIURAエベレスト2013を代表して、三浦雄一郎、三浦豪太両氏、ファウスト挑戦者賞の篠宮龍三氏、ファウスト社会貢献活動賞のブライトリング・ジェットチームを代表してジャック・ボツラン氏、ファウスト特別賞の関野吉晴氏、JustGiving特別賞の第3回大阪マラソンを代表して森理世氏が順に登壇した。
冒険家・プロスキーヤーである三浦雄一郎氏の「80歳でのエベレスト登頂」という夢を実現すべく結成。2013年5月13日、80歳7カ月という世界最高齢でのエベレスト登頂に成功した。
夢の実現に向けて結成されたMIURAエベレスト2013は三浦一家と、各部門のプロからなる遠征隊。登攀リーダーでエベレスト6度登頂の倉岡裕之氏をはじめ、アルパインクライマーの平出和也氏(第4回ファウスト冒険家賞受賞者)がカメラマンを、日本初の国際山岳医である大城和恵氏が体調管理を担当するなど、プロ中のプロが参加した。 また、副隊長としてチームに帯同した雄一郎氏の次男である豪太氏のほか、長男の雄大氏は現地で通信技師を務め、長女の恵美里氏は東京事務局で隊の情報を世界に発信。家族もチームの一員として、父の挑戦を支えた。三浦一家と山岳のプロたちが一丸となり、抜群のチームワークで隊長・雄一郎氏の偉業達成を実現した。
受賞の声:副隊長の三浦豪太氏 〈※クリックで授賞理由を表示〉
「本日は、ほまれあるファウスト冒険家賞をいただき、ありがとうございます。これはチームで勝ち取った栄誉だと思っています。リーダーの倉岡さんをはじめ、カメラを回し続けてくれた平出さん、健康管理をしてくれた大城先生、その様子を世界に伝える役割をした兄・雄大、姉・恵美里。私はと言うと、すべてのスペシャリストの折衝役。「笑い」はこのチームをまとめるのに必要なもので、笑いとユーモアがこのチームのカラーとなりました。最後に、30時間もの下山を一緒にしてくれたシェルパたちにも感謝を伝えたいと思います」
2013年5月23日、中米ホンジュラスのロアタン島で開かれたフリーダイビング国際大会「カリビアンカップ2013」において、コンスタントノーフィン種目で水深56mに成功して3位となる。この記録はアジア記録を8年ぶりに更新するものだった。
フリーダイビングとは酸素ボンベを使用せず、一息で潜水する深度を競う競技。なかでもコンスタントノーフィンはフィン(足ひれ)などを装着せずに潜水するもので、最も過酷な種目とされる。この記録により、コンスタントウィズフィンでの115m、フリーイマージョンでの104m(ともに2010年に記録達成)と合わせて、現在3種目でアジア記録を保持するフリーダイバーとなった。
篠宮氏は国内唯一のプロフリーダイバーとして国際大会を中心に活躍する一方、競技活動の傍ら、ダイビングスクールや大会も運営。「ONE OCEAN~海はひとつ」をメッセージとして掲げ、海洋保護を訴える様々なイベントのプロデュース活動も行っている。
受賞の声: 〈※クリックで授賞理由を表示〉
「このようなすばらしい賞をいただき、うれしく思っています。フリーダイビングとは素潜りでどれだけ深く潜り、戻って来られるかを競うもので、毎日ようにメディアで紹介してもらうような競技ではありませんが、競技を始めて15年という節目の年に、賞をもらえたことをうれしく思います。プロになって10年。苦しいこともありましたが、こうしたうれしい瞬間があることも後輩に伝えていければいいと思っています。トレーナー、コーチ、サポートしていただいている企業の方々にも感謝を伝えたいです」
スイスの時計メーカー「ブライトリング」によって2003年に結成。ジェット機でアクロバット飛行を行う民間最大のチームで、リーダーのジャック・ボツラン氏をはじめ、フランス空軍出身者を中心としたパイロットや専門の整備スタッフによって構成されている。
今年、福島の震災復興を応援するエアショーを開催するため、フランスからユーラシア大陸を越えて初来日。当初、5月に予定されていた福島・小名浜港でのエアショーは悪天候によってキャンセルという事態に見舞われるも、8月7、8日に「大空を見上げようin ふくしまAGAIN」を開催した。
一度は中止となりながら、チームの元に福島の子供たちからたくさんのメッセージが届けられたことをきっかけに、チームメンバーはもちろん、関係者の努力もあって代替開催が実現。当日は会場の「ふくしまスカイパーク」にのべ5000人が駆けつけるなか、チームはアクロバット飛行を披露。最後は震災犠牲者追悼のフォーメーションで締めくくり、福島と日本を勇気づけた。
受賞の声:リーダーのジャック・ボツラン氏 〈※クリックで授賞理由を表示〉
「私たちにとって、福島は特別な物語。11カ月かけたアジアツアーの一環として福島に来るのには目的がありました。被害にあった人たちを応援したいということ。そして、楽しい時間を過ごしてほしいということです。5月に一度、悪天候でショーがキャンセルされましたが、やると決めたらやり遂げる。再度、福島に戻ることを決め、福島の人たちと特別な関係を築くことができました。彼らは我々の心の一部になっています。ショーをやるときには、常に福島のことを忘れません」
一橋大学在学中に探検部を作り、71年アマゾン川全域を下る。これをきっかけに以後、25年間で計32回、通算10年超に渡り、アマゾン川源流や中央アンデス、パタゴニア、アタカマ高地など南米を探検した。
93年から02年までの10年間では、人類がアフリア大陸に誕生し、ユーラシア大陸からアメリカ大陸へと広がっていった約5万3000kmの「グレートジャーニー」を、人力のみで遡行するという壮大な旅を完遂。この模様はフジテレビのドキュメンタリー番組としてシリーズ放送された。
さらに04年から11年には、「新グレートジャーニー日本列島にやって来た人々」へと出発。シベリアからの北方ルート、ネパールからの南方ルート、インドネシアからの海上ルートという人類が日本列島に至るすべての行程を踏破している。また2013年3月からの約3カ月間、自らの旅の経験を元に、東京・国立科学博物館で「グレートジャーニー人類の旅」展を開催。入場者数はのべ17万人を超えた。
受賞の声: 〈※クリックで授賞理由を表示〉
「私は20代のはじめから45年くらい、地球上のいろんなところへ行ってきましたが、特に人を驚かすような大きなことをやってきたわけではありません。自分がおもしろいと思うことをやってきて、人を元気にし、勇気を与えられたならうれしいです。目標は三浦(雄一郎)さんの80歳。私は自分のために(旅を)やっていて、人のためにはやっていない。飽きたら止めると思いますが、自分が生き生きとやっているなと思う限り、三浦さんを追いかけてやっていきたいと思います」
2011年10月30日に第1回大会が開催され、13年で3回目を迎えた国内最大級の都市型マラソン。世界最多の人がチャリティに参画する「チャリティマラソン」を目指している。
2013年10月27日に開催された第3回大阪マラソンは「みんなでかける虹。」を合言葉に、7色+虹色の計8色にチャリティテーマを設定。赤はガン撲滅、オレンジは障がいのあるアスリートの応援、黄色は難病の子供と家族の支援、緑は森林保全、水色は水質保全、紺は子供支援、紫は景観美化、虹色は東日本の震災復興とし、約3万人のランナー全員から寄付を募った。
加えて今大会よりエントリー抽選の落選者のなかから先着で180名のチャリティランナーを選出。支援する寄付先を選択してジャストギビングで寄付を募り、その金額が7万円に達したら出場権を獲得できるという新たな取り組みを行った。この結果、ジャストギビングを通じて6,988,440円(990件)を寄付することとなった。第3回大会全体の募金額合計は約8440万円(13年11月末現在)に達している。
受賞の声:チャリティアンバサダー 森理世さん 〈※クリックで授賞理由を表示〉
「このようなすばらしい賞をありがとうございます。チャリティというのは難しいものでも特別なものでもなく、自分の心や力が大きな輪になる活動です。私自身、募金の呼びかけもしていましたが、ひとりが何百万円、何千万円と募金するよりも、一人ひとりは1円でもいいので、1億人が募金することのほうが意味のあること。小さな活動が大きな力になると伝えていきたい。大阪マラソン=チャリティマラソンであると、多くの人に知ってもらえればいいなと思います」
受賞者には、本アワードの特別審査員である片山右京氏より記念のトロフィーと副賞を贈呈。続いて受賞スピーチが行われた。誰もが賞を目指して活動しているわけではないとあって、まずは感謝と驚きを口にしていたが、そこは2013年を代表するヒーローたち。今後の目標についても多いに語ってくれた。
そして、残すはファウスト大賞のみ。会場全体が壇上に設置されたスクリーンに注目するなか、受賞者の発表が行われた。
歴代の偉大なる人物たちと肩を並べ、5人目の大賞を受賞したのはMIURAエベレスト2013。今年5月13日、80歳7カ月という世界最高齢でのエベレスト登頂に成功した三浦雄一郎氏の夢への挑戦を支えたチームワークに対し、最高賞が贈られた。
2013年、ファウスト・オブ・ザ・イヤーは
80歳世界最高齢でエベレスト登頂に成功した
三浦雄一郎氏率いるMIURAエベレスト2013!
受賞の声:隊長の三浦雄一郎氏 〈※クリックで授賞理由を表示〉
「こんなすばらしい大賞をいただけるとは思いませんでした。年を取ってもいいことはあるんだなという象徴のようなもの。家族、サポートしてくれる山の仲間たち、シェルパ、みんなのおかげです。出発寸前には心臓手術を受けました。夢をあきらめるな、何とかやってみよう、という思いでやってきましたが、そのせいで多くの人に心配をかけました。考えてみると、これが究極の“介護登山”だったのかな。今のところ、世界最高齢のエベレスト登頂ということですが、いくつになってもあきらめなければ夢はかなう。やっぱりできたんだな、と思っています」
ファウスト大賞が個人ではなく、チームに対して贈られるのは5回目にして初めてのこと。三浦雄一郎氏は第1回のファウストA.G.アワードで特別賞を受賞しているが、今回は遠征隊としての受賞である。
実は三浦雄一郎氏が「80歳でエベレスト登頂」という次なる夢を公の場で明かしたのが、その第1回授賞式でのこと。こうして夢の実現を大賞という形で称えることができるのは、ファウストA.G.にとっても誇らしく、我がことのようにうれしい第5回授賞式となった。
なお、各部門賞受賞者にはリヤドロジャパン株式会社より新作の「ギャロップシリーズ(Ⅰ~Ⅳ)」が、大賞受賞者には「HORSE ONPIROUETTE/挑戦(RE-DECO)」が、それぞれトロフィーとして贈られた。
また副賞として、株式会社バリージャパンよりメッセンジャーバッグが、モンブラン(リシュモン ジャパン株式会社)よりマイスターシュテュッククラシック万年筆が、タリスカー(MHDモエヘネシーディアジオ株式会社)よりタリスカー30年が、それぞれすべての受賞者に贈られた。
授賞式の最後に、ファウストA.G.アワード2013の特別審査員であり、受賞者へのプレゼンターも務めていただいた片山右京氏が登壇。
「5年間審査員をやってきて、今回あらためて感じさせられたのは、チームがいかに重要かということ。個人でやられている人でもサポートする人や心配する人はいる。そうした人たちと励まし合い、助け合いながら目標を目指す。こういう人たちの気持ちこそが尊いものだと思う。あくまで僕の持論ですが、”神様”とは、実は弱く迷いやすい人間が作り出した精神的なものではないかと思う。でも今日いらっしゃる、勇気を与えたり励ましたり、挑戦したりする人の心こそが神様の存在に近いと思う。たくさんの夢と勇気をありがとうございます」
片山氏はアワードの総評を述べるとともに、各受賞者の勇気ある活動を称え、感謝の言葉を伝えた。
その後、報道陣向けに受賞者のフォトセッションが行われ、2013年のファウストA.G.の活動を締め括る授賞式は終了となった。
2013年のファウストA.G.アワードは、5回目にして初めて「チーム」が大賞を受賞した。
目標を同じくする人々が力を合わせると、どれほど大きなパワーを生むか。片山氏の言葉にもあるように、今回の受賞式では力を合わせること、すなわちチームワークの尊さをあらためて思い起こさせてもらった。
それは何も受賞したチームだけに限らない。個人で受賞された方たちにしても、それぞれ受賞のスピーチではサポートしてくれている人への感謝の言葉を口にすることを忘れなかった。彼らの「冒険・挑戦・貢献」は決してひとりの力では成し遂げられないということの証左だろう。
ひとりの力では決して偉業は成し遂げられない。あらためて受賞者のみなさんの活躍を称えるとともに、彼らをサポートする人たちにも大きな拍手を送りたい。
トロフィーについて
ファウストA.G.アワード2013の受賞者には、その栄誉をたたえ、リヤドロジャパン株式会社より新作の「ギャロップシリーズ(Ⅰ~Ⅳ)」が、大賞受賞者には「HORSE ON PIROUETTE/挑戦(RE-DECO)」がトロフィーとしてが贈られました。
サイバードグループ・プレゼンツ
ファウストA.G.アワード2013授賞式
日時:2013年12月12日(木)
会場:Theatre CYBIRD
協賛:
株式会社バリー・ジャパン
リヤドロジャパン株式会社
リシュモン ジャパン株式会社 モンブラン
MHDモエヘネシーディアジオ株式会社
特別協力:
ジャスト・ギビング・ジャパン
主催:
Text:Masaki Asada
Photos:Kiyoshi Tsuzuki
Movie:Plusmotion
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