「アジアのラスベガス」を目指すマカオの行方

■The Venetian Macao-Resort-Hotel 　ザ・ベネチアン・マカオ-ホテル-リゾート
■Four Seasons Hotel Macao, Cotai Strip　フォーシーズンズホテル・マカオ

北京オリンピックが終わっても、中国の特別行政区マカオの勢いは増すばかり。1999年の中国返還時に「マカオのカジノ王」スタンレー・ホーが独占的だった経営権を明け渡してから早9年、人の流れに変化が見うけられます。これまで観光地の中心だったマカオ半島から、タイパ橋をタクシーで渡ると、タイパ島コタイ地区に入ります。そこにある壮大なリゾート開発プロジェクト「ザ・コタイストリップ」が、現在多くの人を惹きつけているのです。仕掛け人はラスベガスに本拠地を置くSands社。プロジェクト第一弾として2007年にオープンした「The Venetian Macao-Resort-Hotel」（以下「The Venetian」）は、今一番人気の大型リゾートホテル（3,000室全てがスィート仕様、巨額の初期投資をわずか開業8カ月で回収済み！）です。そして開業1周年となった今年の8月27日には、「The Venetian」と接続して「Four Seasons Hotel Macau, Cotai Strip」がオープンしました。DFS（ショッピングアーケード）では世界的なブランド商品が揃い、180店舗のうち60店舗はマカオ初お目見え。

しかし多くの人はベニスを模した華美で、All In One の「The Venetian」を好んでいるようです。カジノを中心に多種多様なレストランやブランドショップ、エンターテインメントショーもあり、アジア初常設劇場のシルク・ド・ソレイユもほぼ満席という盛況ぶり。ただ、収入源の中心であるカジノは減速気味かもしれません。旧正月に訪れたときほど、熱い気迫は感じられませんでした。しかしながら多くの中国人が賭け事に興じる姿は、中国人気質そのもので一見の価値ありです。さて、このSands社のプロジェクトは今後が見もの。この地区に世界のリゾートホテルが続々進出する予定です。なんと世界のホテルと並んでホテルオークラも2009年9月にオープンするとか。仕掛けるか、仕掛けられるか？マカオでは世界の観光客を迎える準備が、着々と進んでいるようです。

<香港・小野寺慶>

■The Venetian Macao-Resort-Hotel Estrada da Baia de N. Senhora da Esperanca, s/n, Taipa, Macao SAR, P.R. China
■Tel.+853 2882 8822
■http://www.venetianmacao.com　（英語・中国語）

■Four Seasons Hotel Macau, Cotai Strip Estrada da Baia de N. Senhora da Esperanca, S/NTaipa, MacauChina
■Tel. +853 2881 8888
■http://www.fourseasons.com/macau/（日本語・英語・中国語）

2008/12/11