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Vol.6
今度はリオ上空に現れたジェットマン!
来年はついに日本で!?

「ジェットマン」ことスイスの冒険家イヴ・ロッシー氏がグランドキャニオン上空を飛行したニュースをお届けしてから早1年。背中に翼を携え、エンジンを担いで空を飛ぶ「ジェットマン」のニュースがまたまた飛び込んできた。 今回彼が選んだ場所は、ブラジル第2の都市、リオデジャネイロ。独占インタビューと共にお届け!&最後には驚きの新計画が明らかに!?

© Bruno Brokken/ Breitling SA

世界三大美港のひとつと呼び声の高いリオデジャネイロは、山、海、ラグーンといった独特の地形を誇る景勝地。標高710メートルのコルコバードの丘からの眺めは絶景を極め、丘にはブラジル独立から100年を記念して作られた、高さ約40メートル、左右約30メートルの巨大なキリスト像がそびえたっている。
5月2日午前、ブラジルのシンボルとして人々に親しまれているこの像の周りを鳥のように飛ぶ一人の男の姿があった。そう、我らがジェットマンだ!
固定式の翼と4つのエンジンを背負い、ヘリコプターに乗ったジェットマンは、ロドリゴ・デ・フレイタス湖(Lagoa Rodrigo de Freitas)上空まで行くと、背中から後ろ向きに倒れるような格好でヘリコプターを離れた。空中でジェットエンジンを点火後、すぐに体勢を整えた彼は、コルコバードの丘(Corcovado)をぐるりと回った後、イパネマ(Ipanema)、コパカバーナ(Copacabana)、ポム・ヂ・アスーカル(Sugar Loaf Mountain)を通過。思うがままに空を駆け抜けた後、色鮮やかな黄色いパラシュートを広げ、コパカバーナ海岸に着陸した。晴天の下、11分35秒のフライトを終えたジェットマンの顔には満面の笑みが広がっていた。
プレスリリースを通して「リオ以上に美しい都市を見つけるのは難しいだろう」と語っていたジェットマン。今回もFaust A.G.による電話インタビューに快く応じてくれ、そのときの様子を語ってくれた。「前回のグランドキャニオンのときとはまたひと味違った魅力があったよ。リオは大都市でありながら、山、海、ラグーンという独特の地形を持っていて、とても美しかった。ファンタスティック! キリスト像の前を飛んだとき、それはまさに彼と僕だけの世界のようだった。あのような平和のシンボルと顔と顔を付き合わせるのはとてもスピリチュアルなことだったよ」。

© Bruno Brokken/ Breitling SA
© John Parker/ Breitling SA
© Bruno Brokken/ Breitling SA
© AP/ Breitling SA
© AP/ Breitling SA
© AP/ Breitling SA

視線を少しだけ上に移し
体をバナナのように反らせれば
上昇できる

彼のフライトの様子を見ると、実に自由自在に空を飛び回っていることがわかるが、実際は重力に逆らい、飛行速度は時速200kmにも300kmにもおよぶ状況のまっただ中にいる。しかも、言うまでもなく彼は「人間」だ。危険もつきまとうフライトの中で、景色を楽しむ余裕などあるのだろうか。

© AP/ Breitling SA

「もちろんだよ! フライトの始めと着陸時はものすごく集中しなければならない。だけど、その間は本当に最高の気分だよ!眼下に広がる景色を眺めたり、自分はどこにいるか、なんてことを考えながらフライトを楽しんでいるよ。上空から見るリオは、グリーンとブルーのコントラストが最高に美しかった! 時速200kmと言っても、モーターバイクに乗るのを想像してごらん。それと大差はないよ。方向だって、右に行きたいときは、目や頭、肩を少しだけ右に向ければいい。上に行きたいときは、視線を少しだけ上に移し、体をバナナのように反らせるだけだよ」。スカイスポーツの経験がなくとも、スノーボードをしたことがあれば、想像できるだろう。進行方向に少し体重を移動するだけで、その方向へ進むことができるあの感覚。それと同じだと彼は言う。「空の上ではリラックスしているよ。体全部の筋肉を使う必要もないし、特別な労力もいらない。僕にのしかかる力は何も感じない。僕は自由で、まさに鳥のようなんだ。だけど、翼は動かせないから、半分鳥で半分飛行機ってところかな(笑)」。

まるでスーパーマンのように。

1959年生まれ53歳の彼が、「鳥のように飛んでみたい」と始めたこのプロジェクトは、現在、新たな展開も見せている。リオを後にし、スイスに戻ったジェットマンは、6月22日、ダグラス DC-3ビンテージ・プロペラ旅客機と肩を並べて飛行し、旅客機に乗るおよそ20人の乗客らに彼の飛行を披露した。小さな窓から見えるスーパーマンの映画さながらの光景は、乗り込んだ乗客らを興奮させたに違いない。通常は一人で自由に飛び回る彼にとって、人に見せるためのフライトは窮屈なものだったのではないかと思い、感想を聞いてみると意外な答えが返ってきた。
「フライトは最高だったよ! 飛行機に近づくと、乗客がどんな顔をして驚いているかが窓越しに見えてくるんだ。彼らが感動している様子を見るのは本当に嬉しかった。それに飛行機にあんなに近づいて飛んだのも初めてのことで、僕自身も感動した。飛行機の近くを飛ぶにはそれなりに高い位置まで上がらなければならないから、簡単なことではない。だけど機会があればまたやりたいよ」とジェットマン。いつの日か、飛行機の窓から外を覗くと、ふいにジェットマンが現れる、なんてことも起こりうるかもしれない!?
「僕のやることが人々の心に触れ、元気を与えることができたら、それはとても嬉しいことだよ。それが、僕が挑戦を続ける理由のひとつでもあるから」。彼自身が冒険を楽しみ、その姿に人々が心を動かし、そのことによってさらに彼自身の喜びやチャレンジ精神が押し上げられる。このサイクルに、彼が人々を魅了してやまない理由の一端を垣間みることができる。だからこそ彼の冒険はいつだって人をわくわくさせるのだ。

オブザベーションフライトの模様 (C)Katsuhiko Tokunaga – John Parker

ジェットマンが日本にやってくる!?

さて、今回の電話インタビューで、Faust A.G.はビッグニュースを入手した。なんと来年、日本での飛行を計画しているというのだ!
「来年、日本を飛びたいと思っている。たぶんフジヤマかな。といっても、現地に行って、はい、飛びますって簡単に飛べるわけでなはいからね。手続きはとても複雑。今そのために準備を整えている段階だよ。日本の空を飛ぶ僕の姿を見て、日本のみんなに楽しんでもらえたら嬉しい」と語ってくれたジェットマン。来年の飛行が今から待ちきれない!

© John Parker/ Breitling SA

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Jet Man Yves Rossy公式ホームページ
www.jetman.com

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