シャンパーニュの革命児
アルマン・ド・ブリニャック&キャティアの飽くなき探求心
ジャン・ジャック・キャティア シャンパーニュ・キャティア10代目当主
ブレッド・ベリッシュ アルマン・ド・ブリニャック社社長
シャンパーニュの革命児
アルマン・ド・ブリニャック&キャティアの飽くなき探求心
ジャン・ジャック・キャティア シャンパーニュ・キャティア10代目当主
ブレッド・ベリッシュ アルマン・ド・ブリニャック社社長
シャンパーニュ初、ゴールドのボトルがリリースされるや否や、アメリカのミュージシャンJay-Zをはじめ、世界のセレブリティたちを虜にしたシャンパーニュ、アルマン・ド・ブリニャック。その後、ニューヨーク・ヤンキース、NBAダラス・マーベリックスやマイアミ・ヒートといったスポーツ選手たちの間でもたちまち人気を博し、ロンドンオリンピックで伝説となったウサイン・ボルト選手の祝酒となったことも記憶に新しい。そのアルマン・ド・ブリニャック社社長、ブレット・ベリッシュ氏、製造元のシャンパーニュ・キャティア社、社長ジャン・ジャック・キャティア氏がプロモーションのため来日。スポーツシーンにおけるシャンパーニュの役割を中心に話を聞くことができた。
ブレッド・ベリッシュ氏(左)とジャン・ジャック・キャティア氏(右)。
勝利のシンボルとされる輝くゴールドのボトル。アルマン・ド・ブリニャックは特に優れた3つのヴィンテージをブレンドしたマルチヴィテージ・シャンパーニュ。ボディのある芳醇な味わいをもたらす。右側のボトルはマチュザレムと呼ばれる6リットル入りのボトル。通常ボトルの8本分に相当。
世界最高峰のゴルフトーナメントと称される「マスターズ」の勝者に贈られるグリーンのジャケットをモデルに作られた特別なボトル。
── 最近、多くのスポーツ選手がアルマン・ド・ブリニャックで祝杯を挙げていますが、その一番の理由はなんでしょうか?
ベリッシュ氏 きっかけは、やはりニューヨーク・ヤンキースの選手たちだと思います。アルマン・ド・ブリニャックのボトルは光り輝いています。ボトルそのものがトロフィーのようなもの、つまり勝利のシンボルとなっているからではないでしょうか。どのように選手たちへアプローチしたのですか、とよく聞かれますが、私たちが選手たちにアプローチしたのではなく、選手たちがアルマン・ド・ブリニャックを選んでくれたのです。とても栄誉なことだと思います。
── では米国で行われる権威あるマスターズ・ゴルフトーナメントの勝者に贈られる特別なグリーンのボトルもトロフィーと同じ意味を持ちますね。
ベリッシュ氏 そうですね。グリーンのボトルは、シャンパーニュの製造元であるキャティア社の協力を得て、優勝者に贈られるグリーンのジャケットと同じ色で作りました。
── そのキャティア社はサッカーの2012 UEFA欧州選手権の公式シャンパーニュを作っていますが、スポーツ選手への強いサポート精神を感じます。何か特別なプロジェクトがあったのですか?
キャティア氏 UEFAについて言えば、ブレット氏もおっしゃったことと同じですが、まず欧州サッカー連盟が私たちのシャンパーニュを選んでくれたのです。選ばれたからには、自分たちができることで選手たちを応援する。とてもシンプルなものです。
── 自分たちにできることでサポートする、素晴らしいことですね。ただ、マスターズのグリーンのボトルや、UEFA用のためのエチケットのカスタマイズなど、実行に移すのは容易なことではないと思いますが。
キャティア氏 おっしゃる通りです。ただ、私たちの強みは一貫した家族経営であることです。例えば、多くのメゾンのようにグループに属していたら、エチケットのデザイン一つにしても、予算の面でもグループの承認を得るために時間がかかり、製品化が大幅に遅れる可能性があります。私たちにはそうしたリスクがない。つまり柔軟性をもって顧客のリクエストに対応することができるのです。
── アルマン・ド・ブリニャックは世界的に大きな成功を収めていますが、その秘訣は何でしょうか。今年になって世界100か国に販路を広げられた営業戦略についてお聞かせいただけますか。
ベリッシュ氏 私自身、まだ大成功を収めたと感じていないのです。まだやるべきことはたくさんあると感じています。営業戦略としては、世界に輸出する中で、各国に一つのインポーターと契約することにしています。そして、パートナーとなるインポーターは、レストラン、ナイトクラブに販路を持つ会社を選んでいます。国や都市によって戦略を変えるのではなく、世界共通のコンセプトでアルマン・ド・ブリニャックのプロモートを展開したいのです。ニューヨークでキャリアを重ねる人、パリで最先端のモードに触れている人、京都で伝統を守る人、世界のどこにいてもすべての人が、アルマン・ド・ブリニャックという同じシャンパーニュを飲み、その味わいやアルマン・ド・ブリニャックにまつわるストーリーをシェアする。そして、シャンパーニュを飲むときは必ず誰かと一緒に飲んで欲しい。そんな風に楽しんでいただきたいと思っています。
── そもそもアルマン・ド・ブリニャックのルーツはどのようなものだったのでしょう?
キャティア氏 1950年代、私の母がある小説を読み、その登場人物に感銘を受けた。残念ながら、小説の題名はわからないのですが、その登場人物の名前がアルマン・ド・ブリニャックだったのです。当時はシャンパーニュの市場も今ほど大きくなくて、アルマン・ド・ブリニャックを商品化することはできませんでした。今、キャティア社は、フランス国内はもちろん、世界75ヶ国以上に輸出しています。伝統的なシャンパーニュ業界ですが、アヴァンギャルドな精神で、どんどん新しいことにチャレンジしていきたいと常に思っています。
── 新しいチャレンジと言うと、例えばシャンパーニュでは非常に珍しい500mlボトルは12月に日本に入荷予定とのことですが、このボトルについてお聞かせ下さい。
キャティア氏 500mlのボトルは主にホテルの部屋でゲストを迎えるための、ウエルカムシャンパーニュ用として作りました。通常のフルボトル750mlは大きすぎる、かといってハーフボトル375mlでは小さすぎるという意見が多かった。ならばその中間を作ってしまおうと思ったのです。規定によりEU圏で500mlのシャンパーニュの販売はできませんが、他の地域では、すでに非常に高い評価を得ています。500mlのボトルを作っているのはおよそ5200あるシャンパーニュメゾンのなかで、当社ともう一社だけです。
そして、ドイツの名窯マイセンとのコラボレーションも新しいプロジェクトの一つです。マイセンの職人が、キャティアのボトルに絵付をします。今はまだ、図柄をご紹介することはできませんが、2015年のリリースを楽しみにしていて下さい。
歴史の長いメゾンでありながら、常に探究心を持ち続けるシャンパーニュの革命児、キャティア。4年後には新しく、クロ・ヨン(Clos Yon)と呼ばれる僅か0.5ヘクタールの単一畑のブドウで作られるシャンパーニュのリリースも控えている。今後、我々にどのような驚きをもたらしてくれるのか目が離せないメゾンである。
ジャン・ジャック・キャティア
Jean-Jacques CATTIER
シャンパーニュ・キャティア10代目当主
キャティアは1763年創業、シャンパーニュでは数少ない家族経営のメゾンとして有名。現在は11代目アレクサンドル氏と共に伝統を重んじる一方、アルマン・ド・ブリニャックに代表される革新的なボトルのシャンパーニュをリリースしている。
ブレッド・ベリッシュ
Brett BERISH
アルマン・ド・ブリニャック社社長
ニューヨークのスーヴェラン・ブランド(Sovereign Brands, LLC)代表を兼任。アルマン・ド・ブリニャックのグローバルプロモーションのため、世界各都市を訪問。
シャンパーニュの他、南フランス産のリュック ベレール スパークリング ロゼのセールス・マーケティングにも携わる。
商品問合せ先
株式会社 徳岡 TEL: 03-5793-7211
http://www.tokuoka.co.jp/index.html
取材協力
メゾン エメ・ヴィベール TEL:03-5468-8080
http://www.aimeevibert.com/maison/
Text:Harumi Kono
Photo:Hiroyuki Kudoh
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