ファウストA.G.アワード2010 授与トロフィーについて

ガラス造形作家・渋谷良治氏が制作
ファウストの世界観を表現

ファウストA.G.アワード2010各賞の授賞記念トロフィーは、昨年に続き、日本を代表するガラス造形作家で国際的に高い評価を得る渋谷良治氏に制作を依頼。渋谷氏の一貫したテーマに「時の堆積」、「自然や宇宙の美と神秘」といったものがあり、作品に見られる人智を超えたものへの憧憬、日本人として地球に生きるものとしての高い意識が、ファウストA.G.の目指す世界観と見事に合致すると考えました。

作品コンセプト/渋谷良治氏コメント

~挑み続ける勇気ある冒険者たちに~ 
「ファウストA.G.アワードのトロフィー制作にあたり、人間や自己の可能性に挑戦する冒険者たちの行動に触れ、それを可能にする舞台である地球をイメージしました。地球の大地や紺碧の海、澄み切った空、雄大な山々、自然の神秘など。それらの持つ色を作品に込め、美しい自然への畏敬の念を込めています」

制作工程

渋谷氏の作品は、人類が最初にガラスを発見した当時から続く手法である、「キャスティング」という鋳造の方法を採用しています。一般的に知られる吹きガラスとは異なり、彫刻のように粘土モデルを作成し、耐火石膏で型抜き、色ガラスを電気炉で鋳造、徐々に冷やし幾度もの磨きをかけて完成に至るという、大変に時間と手間のかかる過程を経て生み出されます。その過程は祈りにも似て、行程を経るごとに生まれる美しい内部空間が、光の陰影により豊かな表情を放ちます。

Profile

渋谷良治(しぶや りょうじ) 
ガラス造形作家。1956年生まれ。多摩美術大学彫刻科、東京ガラス研究所研究科、'86年、ヘリット・リートフェルト美術大学ガラス科(オランダ・アムステルダム)卒業。現在富山ガラス造形研究所主任教授。個人作家としても数多くの展覧会に出品。1990年「日本のガラス展」サントリー美術館賞、同年「サントリー美術館大賞展‘90」佑治奨励賞、93年「日本のガラス展」ブリジストン美術館賞をはじめ、以後受賞多数。2008年には「ローマ賞典祭」にてイタリア・ローマ文化会館賞、ローマ市民賞受賞。

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